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【2021年版】鹿児島県のおすすめ日本酒&ペアリングをご紹介

九州と言えば、本格焼酎の生産地という認識を持っている人がほとんどではないでしょうか。香り豊かな芋焼酎が特に有名ですよね。 一方で、九州=日本酒のイメージはまだまだ一般的じゃないのが実情。しかしながら、九州でも日本酒は造ら …

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九州と言えば、本格焼酎の生産地という認識を持っている人がほとんどではないでしょうか。香り豊かな芋焼酎が特に有名ですよね。

一方で、九州=日本酒のイメージはまだまだ一般的じゃないのが実情。しかしながら、九州でも日本酒は造られているんですよ!

今回ピックアップするのは、鹿児島県。実は近年まで日本酒が造られていない県ではありましたが、最近ではその流れも変わってきているんです。

焼酎だけじゃないの!?鹿児島県と日本酒の関係性


日本で唯一日本酒を造っていなかった県・鹿児島

約40年前に日本酒を造っていた蔵が閉鎖されて以来、日本酒製造が行われていなかった鹿児島県。近年まで同県は、日本で唯一日本酒を造っていないことで知られていました。

というのも鹿児島県には、日本酒を造りたくても上手くいかない、ある理由があったのです。

日本酒造りに不向きだった理由

鹿児島県が日本酒造りに不向きだった理由は、ずばり温暖な気候です。基本的に日本酒は冬に造られるのですが、鹿児島県の冬は暖か過ぎました。

温度で品質が左右される日本酒を安定的に造るのは、温度管理が難しい南国鹿児島では困難だったのです。

その反面、温暖な気候でも造れる焼酎は鹿児島県で隆盛を誇っています。本格芋焼酎の本場、薩摩の地として全国に名を馳せたのです。

近年日本酒造りも行われるようになった

近年、いち早く日本酒造りを復活させたのは、いちき串木野市の濵田酒造です。

濵田酒造は、2012年1月より日本酒造りを開始。完成した酒は、初めは酒銘なしで販売されていましたが、同年9月に行われた一般公募にて「薩州正宗」と名付けられ、今日まで展開されています。

また、2020年・夏には西酒造が日本酒の製造免許を取得し、同年9月には清酒「天賦」を発売。鹿児島県の日本酒は、徐々に増えていく兆しを見せています。

昔と比べ、テクノロジーの発展により、日本酒の製造や管理の技術は飛躍的に向上しました。西酒造が日本酒造りを成功させたのも、建物全体の空調管理、及び、各部屋の温度制御ができる日本酒蔵を新設したことが大きな要因です。

この蔵は一年中日本酒が造れる設備となっており、先ほど"基本的に日本酒は冬に造られる"と述べましたが、近年では優れた設備を活かし、西酒造のように年間を通して日本酒を造る蔵元も少なくありません。

私達がお酒を飲み、業界を盛り上げ、各蔵に最新設備を導入してもらうことが、美味しい日本酒を一年中楽しむための一番の近道なのかもしれませんね。

鹿児島県の日本酒を紹介

天賦


出典:天賦 (てんぶ) 純米吟醸 1800ml

「天賦」は、国産米を100%使用した純米吟醸酒です。

純米吟醸でありながら精米歩合は50%と、純米大吟醸クラスに磨き上げられた一品。芍薬のようなフローラルなニュアンス、ほのかに漂う綿飴やバナナの香り。それらが一体となった、奥ゆかしくも心地良い、高精米ならではの芳香が印象的です。

味わいは優しい甘みと控えめな酸味、それらが引き立てる美しい艶のある旨味が特徴。各要素が絶妙に調和しており、フィニッシュには洗練された余韻を堪能することができます。

日本酒としての個性がありながらも透明感のある、上質な一本です。

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薩州正宗 大吟醸酒

出典:薩州正宗 大吟醸酒(生貯蔵酒)15度720ml 【薩摩金山蔵】【清酒 日本酒 鹿児島 手土産 楽天 プレゼント ギフト あす楽】

「薩州正宗 大吟醸酒」は、酒造好適米の生産量全国一位の兵庫県産山田錦を使用した大吟醸酒です。

本州最南端の大吟醸酒として、薩摩の清酒杜氏"東條健太"氏により生み出された一品。本格焼酎造りと清酒造りを、共に極めるべく運営している濵田酒造"薩摩金山蔵"。同蔵ならではの、本格焼酎と清酒のノウハウが融合した、唯一無二の清酒に仕上がっています。

醸造アルコールで絶妙に引き立てられた、山田錦の良さを堪能できる一本です。

薩州正宗 純米吟醸酒

出典:薩州正宗 純米吟醸酒 15度720ml 【薩摩金山蔵】【清酒 日本酒 鹿児島 手土産 楽天 プレゼント ギフト あす楽】

「薩州正宗 純米吟醸酒」は、国産米を精米歩合60%まで磨いた純米吟醸酒です。

仕込み水には、いちき串木野市・冠岳の伏流水を使用。清酒の名門蔵元で修行を積んだ杜氏が、地元の良さを活かしながら手がけた一品です。

フルーティな香りとスッキリとした味わいが特徴。冷やで美味しいですが、冷酒にすると飲みやすく、美味しく楽しめるのでオススメです。

薩州正宗 純米酒

出典:薩州正宗 純米酒 15度720ml 【薩摩金山蔵】【清酒 日本酒 鹿児島 手土産 楽天 プレゼント ギフト あす楽】

「薩州正宗 純米酒」は、国産米を精米歩合70%まで磨いた純米酒です。

「薩州正宗 純米吟醸酒」と同じく、仕込み水には地元・冠岳の伏流水を使用。米のふくよかな香りと、ふくらみのある綺麗な味わいが特徴です。

こちらも冷酒で飲むのがオススメ。冷たさの中に広がる、純米ならではの旨さを楽しめます。

鹿児島県の日本酒蔵

西酒造

西酒造は、1845年に創業した日置市の酒蔵です。

芋焼酎の「富乃宝山」「吉兆宝山」「天使の誘惑」などで知られる焼酎蔵として有名。清酒「天賦」を発売したのは2020年・夏のことで、日本酒業界としては新進気鋭の酒蔵です。

「天賦」を開発する際には、最新の設備を導入したり、製造責任者に菱友醸造の蔵元杜氏だった近藤昭等氏を招聘するなど、様々な取り組みを実施。社長の西陽一郎氏の大学の先輩で、高木酒造で「十四代」を生んだ高木顕統氏から、助言を受けたりもしたようです。

そうした努力の結果、品のある吟醸香と透明感のある味わいが特徴の清酒「天賦」の製造に成功。香味のバランスが素晴らしく、優れた酒質の「天賦」は、食中酒として和洋中の幅広い料理と抜群の相性を誇ります。

是非、お好きな料理と一緒に、新進気鋭の日本酒を味わってみてください。

濵田酒造

濵田酒造は、1868年に創業したいちき串木野市の酒蔵です。

現在は伝兵衛蔵・傳藏院蔵・金山蔵という3つの蔵を有し、各蔵が「伝統」「革新」「継承」という、濵田酒造の核となる焼酎造りの理念を体現しています。

日本酒を展開しているのは「継承」の金山蔵。薩摩を意味する"薩州"と、清酒の代名詞"正宗"を組み合わせた「薩州正宗」を2012年より展開しています。

濵田酒造としては、本格焼酎造りでは見えなかった知恵や技といった"気づき"を、次の焼酎造りに活かすために日本酒を製造しているようです。しかし、その酒は、清酒の名門蔵元で修行を重ねた杜氏が仕上げているため、確かなクオリティを誇ります。

本格焼酎の進化のために、焼酎蔵が本気で造る"薩摩の清酒"を味わってみてください。

鹿児島県の名産品と日本酒のペアリング

鹿児島は、食文化も盛んな場所としても知られています。

まだレアな鹿児島の日本酒ではありますが、ここでは日本酒と一緒に食べるのにおすすめなペアリング食材をいくつかご紹介していきます。

とんこつ料理

とんこつ料理は、鹿児島県の代表的な郷土料理。薩摩藩の武士が、戦場や狩場で作ったのが始まりとされており、あの西郷隆盛も好んだと言われています。

メインの食材は大きくブツ切りにした骨付き豚肉とTHE男飯な一品。味噌を中心に黒砂糖、生姜、焼酎で味を整え煮込めば完成と調理もシンプルです。

長時間の煮込みと焼酎の効果により、豚肉は柔らかく、臭みも抑えられているのが特徴。付け合わせには桜島大根や蒟蒻などが盛り付けられることが多いです。

ペアリングにオススメなのは大吟醸酒。合わせればまず、THE男飯なとんこつ料理を、香りの面で華やかにしてくれること間違いなし。醸造アルコールならではのキレが、口内の油を洗い流してくれることも期待できます。

酒と料理が互いの不足を補う、理想のペアリングを楽しめると思いますよ!

さつま揚げ(つけ揚げ)

皆さんご存知のさつま揚げ。魚肉のすり身を成型し油で揚げたこの揚げかまぼこは、鹿児島県では"つけ揚げ"と呼ばれ親しまれています。

おでんの具材として楽しむことが多いと思いますが、鹿児島県は南国風土ということもあり、そもそもおでんを食べない傾向が強いです。皿に盛ってシンプルに食べるのが、鹿児島流のさつま揚げの楽しみ方と言えます。

ペアリングにオススメなのは純米酒。日本人が大好きな"米"を楽しめる純米酒なら、さつま揚げの質素な味わいを引き立てること間違いなしです。

酒の温度は燗が特に良いでしょう。燗により温かに深まる香味が、さつま揚げの優しい味わいを包み込んでくれるはずです。

キビナゴ

キビナゴは、群れで泳ぐ全長10cmほどの小魚。青みがかった銀色の肌を持つこの魚は、暖流で大量漁獲できますが、傷みが早いため漁獲地以外への流通は少ないです。鹿児島県では代表的な魚として、刺身や唐揚げ、煮つけ、干物など、様々な食べ方で親しまれています。

ペアリングにオススメなのは純米吟醸酒。純米ならではの旨味と、吟醸ならではの華があるこの酒は、魚という食材に合うこと間違いなし。

刺身なら辛口、唐揚げなら中口、煮つけなら甘口と、食べ方によってタイプを変えて楽しむのが良いでしょう。

これからの発展に期待!鹿児島の日本酒

都道府県の中で唯一日本酒を造っていなかった県・鹿児島。焼酎のイメージがまだまだ強い中、日本造りに新たな風が吹き始めていることがわかりました。

日本酒造りに不向きな環境がありながらも、最新の技術やテクノロジーで新しい時代の日本酒をどんどん作り出している姿に驚いた方も多いのではないでしょうか?

食文化も栄えていることから、食事とのペアリングを楽しむのもおすすめの1つ。

気になった方は、ぜひ一度鹿児島の日本酒を口にしてみてくださいね。

《ハタヤマ シンノスケ》

ハタヤマ シンノスケ

専門学校を卒業後、銀座の有名料亭で修行。複数の飲食店を経て、現在はフリーランスの料理人として調理以外にも執筆も行なう。各種料理免許の他、利酒師の資格も保有。日本酒、ビール、焼酎、泡盛......なんでも大好き!!

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