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日本ワインの代表産地!山梨ワインの人気おすすめランキングTOP10【専門家セレクト】

近年は「日本ワインブーム」と言われるほど、多くのワインが日本で造られるようになりました。日本にあるワイナリーの数は年々増えており、身近な店舗でもおいしい日本ワインが入手できるようになりました。ラベル表示のルールも整備され …

お酒を選ぶ ワイン
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近年は「日本ワインブーム」と言われるほど、多くのワインが日本で造られるようになりました。日本にあるワイナリーの数は年々増えており、身近な店舗でもおいしい日本ワインが入手できるようになりました。ラベル表示のルールも整備され、制度の面でも国産ワインの品質向上を目指す動きが活発になっています。

その日本ワインを代表する産地が、今回ご紹介する山梨県です。山梨には高い技術を持ったワイナリーが数多く存在し、日本固有の品種や国際品種から、多種多様なワインが生み出されています。そこで今回は、ワインエキスパートの筆者が「おいしくて入手しやすい山梨ワイン」を10本セレクトしました。山梨ワインの基礎知識もご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

山梨ワインの基礎知識

山梨ワインのぶどう

山梨県は、日本ワインの生産量もワイナリー数も日本一。まさに日本ワインを牽引する存在とも言える山梨県のワイン造りについて、基本的な部分を確認しておきましょう。

山梨ワインの歴史

山梨県でワイン生産が本格的に始まったのは、明治の初めごろ。殖産興業政策の一環としてワイン生産が奨励されたことがきっかけとなり、1874年ごろに初めての本格的なワインが造られます。このとき、山ぶどうから赤ワインが、勝沼産の甲州から白ワインが生み出されたそうです。

その後、ワイン生産はどんどん広まり、1939年には山梨県内になんと3,694件ものワイナリーが立ち並ぶまでになりました。戦後、日本全体でのワイン市場の拡大に伴って、山梨県の大手メーカーが国際品種の導入を試みたり、中小ワイナリーが団体を発足させてワインの品質向上やプロモーションに取り組んだりする動きが見られるようになりました。

海外への進出

2000年代以降は、国内だけでなく海外にも山梨のワインをアピールしていこうという動きが活発になります。2010年に甲州が、2013年にマスカット・ベーリーAが「国際ぶどう・ぶどう酒機構」のリストに登録され、この2品種で造ったワインをヨーロッパに輸出する際にはラベルに品種名を記載することが可能になりました。

また、2013年には「山梨」がワインの地理的表示(GI)として国税庁から指定され、一定の基準を満たして官能検査を経たワインでなければ「山梨」を名乗ることができなくなりました。その後2017年には生産基準が見直されたこともあり、山梨ワインの品質は向上しつづけています。これからも、山梨産の素晴らしいワインが次々に生まれることが期待できそうです。

山梨県の主なワイン産地

山梨県内のワイン産地は、甲府盆地を中心としてその周囲に広がっています。現在稼働している山梨県のワイナリーのうち7割以上が、山梨県の、ひいては日本のワイン造り発祥の地とも言える甲府盆地東部にあります。甲州の産地として有名な勝沼も、このエリアに属しています。

最近注目されているのは、甲府盆地の北西部です。2000年頃から続々と新たな畑が拓かれており、ワイナリーも設立されています。栽培から醸造までを一貫しておこなうドメーヌ型ワイナリーで、日本ワイン愛好家から絶大な人気を集める「ドメーヌ・ミエイケノ」も、このエリアに拠点を置く生産者です。

山梨ワインの主な品種と味わい

山梨ワインのぶどう

山梨県で栽培されているワイン用ぶどう品種のうち、代表的なものを白ワイン用・黒ワイン用から1つずつ取り上げて、品種の特徴や味わいをご紹介します。

甲州(白ワイン用品種)

甲州は日本の在来品種で、生食用としても用いられているぶどうです。かつては、甲州ぶどうが年貢として甲州地方の甲斐国から将軍に献上されていた時代もありました。現在も甲州は、山梨県で生産されるワイン用ぶどうの約半分を占める代表的な品種です。

やや薄い藤紫色をした厚めの果皮を持つ甲州からは、穏やかな酸味とほどよい渋味のある白ワインが生まれます。吟醸香のような香りを持つワインも多いです。最近では、果皮とともに発酵させたオレンジワインも甲州から造られるようになりました。

マスカット・ベーリーA(赤ワイン用品種)

マスカット・ベーリーAは、1937年に日本で開発されたぶどう品種。日本全体でも、山梨県においても、最も多く生産されている赤ワイン用品種です。

マスカット・ベーリーAのワインは、いちごやさくらんぼのような赤い果実の華やかな香りを持っています。渋味が少ないものが多いので、ワイン初心者にとって飲みやすいのも魅力です。

5000円台までで買える!おいしい山梨ワインランキングTOP10

日本ワインの中には、出荷本数が少なく極めて入手困難なワインもあるいっぽうで、手に入りやすくておいしいワインもたくさんあります。今回は「入手しやすいワイン」の中から5000円台までで購入できる、価格的にも手頃ながら味わいや品質が高い10本をご紹介します。

第10位:いろ ベーリーA/まるき葡萄酒


現存する日本最古のワイナリー・まるき葡萄酒が造る、マスカット・ベーリーAの持ち味をそのまま引き出したフレッシュなワイン「いろ ベーリーA」。

軽やかな酸味を伴う豊かな果実味が魅力です。渋味がおだやかで優しい味わいなので、ふだん赤ワインを飲まない方にもおすすめできます。

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第9位:甲州 オランジュ・グリ/マルス山梨ワイナリー

甲州ぶどうから造られるオレンジワイン「甲州 オランジュ・グリ」。果皮と一緒に発酵させることで、濃厚な香りや旨味が引き出されています。

新鮮な果実味に少しの甘みと心地よい渋味が加わって生まれる、厚みと立体感が魅力。甲州のおいしさがしっかりと味わえる1本です。

第8位:甲州 酵母の泡 セック キューブクローズ/マンズワイン

日本の食文化に合ったワイン造りを目指すマンズワインによる、山梨県産甲州100%のスパークリングワイン「甲州 酵母の泡 セック キューブクローズ」。白ワインを耐圧タンクの中でじっくりと二次発酵させて仕上げられています。

甲州の持つ上品な香りと柔らかで繊細な酸味、そして酵母の作り出すきめ細かい泡が感じられる、心地よいスパークリングワインです。

第7位:日本のあわ マスカット・ベーリーA ロゼ/シャトー・メルシャン

続いては、マスカット・ベーリーAを用いたロゼスパークリングワイン「日本のあわ マスカット・ベーリーA ロゼ」をご紹介。生産者は、日本ワインを牽引する老舗ワイナリーのシャトー・メルシャンです。

いちごやさくらんぼを思わせる華やかな果実感、なめらかなテクスチュアの中に爽やかにはじける“あわ”が魅力。親しみやすいチャーミングなロゼ泡ワインです。

第6位:ラフィーユ・トレゾワ・シャルドネ/まるき葡萄酒

ラフィーユ・トレゾワ・シャルドネ」は、山梨県産のシャルドネを使ったワインです。地下セラーで長期熟成させることにより、シェリーのようなニュアンスや、ビスケットやカフェオレを思わせるアロマが生まれています。

黄桃などの黄色い果実やはちみつの芳醇な香りと、口の中で広がる豊かな複雑味がリッチなワイン。グラスに注いだあと、時間による変化も楽しみたい1本です。

第5位:グレイス・グリド甲州/中央葡萄酒(グレイス)

国内の一流レストランや、ホテルのワインリストの常連であるグレイス・ワインの「グレイス・グリド甲州」。こちらのワインは、甲州の個性を存分に味わえるコク深い1本です。

果皮とともに発酵することで引き出された奥深い旨味は、幅広いお料理とぴったり合います。家庭料理にも合わせやすい、フードフレンドリーなワインです。

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第4位:登美の丘 赤/サントリー登美の丘ワイナリー

登美の丘ワイナリーが、自社畑の国際品種で造る赤ワイン「登美の丘 赤」。品種としてはメルロ、カベルネ・ソーヴィニョン、プティ・ヴェルド、カベルネ・フランが使われており、樽熟成で仕上げられています。

バラやすみれのような花、いちごやチェリーなどの赤い果実に、森の落ち葉やたばこのニュアンス。なめらかな口当たりのあとにボリューミーな果実感と心地よいタンニンを感じられます。バランスのとれたエレガントな赤ワインです。

第3位:穂坂マスカット ベーリーA/シャトー・メルシャン

山梨県の中でも標高が高い穂坂地区のマスカット・ベーリーAを使った赤ワイン「穂坂マスカット ベーリーA」。穂坂は昼夜の気温差が大きいため、ぶどうがしっかりと熟しながらもきれいな酸味が保たれます。

こちらのワインは、凝縮された果実味と力強い酸が両立した、複雑で上質な味わいが魅力。長期熟成に耐えるポテンシャルもあるので、2本以上買って何本かを貯蔵しておくのもおすすめです。

第2位:玉諸甲州きいろ香/シャトー・メルシャン


シャトー・メルシャンが、ワインの香りの世界的権威であるボルドー大学デュブルデュー研究室と共同開発した「玉諸甲州きいろ香」。これまでにない、新しいスタイルのワインに仕上がっており、甲州が持つ香りのポテンシャルが最大限引き出されています。

かぼすやゆず、すだちなどの和柑橘やグレープフルーツなどを思わせる爽やかな香りと、口中に広がる心地よい酸とミネラルがおいしい1本。お刺身や若竹煮、揚げ出し豆腐や天ぷらなどの和食と相性抜群です。

第1位:グレイス・メルロ/中央葡萄酒(グレイス)

第1位としてご紹介するのは、日照時間日本一を誇る明野地方にある自社畑のメルロでグレイスが造る赤ワイン「グレイス・メルロ」。穏やかな抽出によって丁寧に醸造し、18か月に及ぶ樽熟成を施しています。

カシスやプルーンを思わせるボリューミーなフルーツの香りに、血液や肉のニュアンスや黒コショウやクローブのスパイス香などが絡み合う華やかなアロマ。豊かな果実味、柔らかな酸味ときめ細かいタンニンが織りなすふくよかな味わいをぜひ楽しんでみてください。

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多種多様な山梨ワインを楽しんで

山梨ワイン

日本を代表する銘醸地の山梨県では、フレッシュでフルーティーなものから凝縮感のある力強いものまで、たくさんのおいしいワインが生まれています。

甲州やマスカット・ベーリーAといった日本を代表する品種だけでなく、メルロやシャルドネなどの国際品種からも素晴らしいワインが造られていますので、さまざまなタイプのワインを楽しんで、山梨のテロワールを存分に味わってみてください。

《瀬良万葉》

瀬良万葉

美食家であり文筆家。お酒と美味しいものを心から愛している。 「食」という行為を通したゆるやかなコミュニティづくりに興味があり、いつか自分で「お酒が飲める喫茶店」を開くのが夢。J.S.A.ワインエキスパート。

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