愛知県で醸されている日本酒「菊鷹」をご存知でしょうか?
一升瓶のみの展開で、時間がたてばたつほど味がまろやかになり、より美味しくなりると言われているこの商品。味の変化が楽しめる「菊鷹」とは一体どんな日本酒なのでしょう?
その魅力を徹底解説していきます。
「菊鷹」とは?
菊鷹は、愛知県稲沢市にある「藤市酒造」で醸されている日本酒です。
とにかく旨みをずっしり感じることができる、重くフルボディな味で定評があります。
まだブランドが復活してから6年ほどしか経過していないにも関わらず、安定したファンを獲得しながら順調に知名度を上げてきている日本酒です。
藤市酒造とは
藤市酒造が創業開始したのは明治5年(1872年)。
焼酎やみりん、ポートワインを製造しており、以前は地元向けのみりんの製造が活発だったそう。
稲沢市は木曽川の良質な伏流水に恵まれていて、やわらかい口当たりを表現するのに重要な原料なのだとか。
原料となる米には、兵庫県山田錦(特等米)、富山県五百万石、兵庫県夢錦、兵庫県フクノハナ、愛知県若水が用いられています。
「菊鷹」の味
菊鷹の味わいはフルボディ。旨く、ずっしりしています。
日本酒度+10.0、酸度2.7というステータスなので辛口を想像しますが、口に含んでみると甘みがあり、酸の具合も柑橘類のフルーツのような爽やかな香りで甘酸っぱい感覚です。木曽川の上質な伏流水が、このやわらかい口当たりに一躍買っているのですね!
「菊鷹」のサイズのラインナップは「一升瓶(1800ml)」のみ。
杜氏である山本氏は「開けてから1週間、2週間の味の変化を楽しんで欲しい」からこそ、ゆっくりいただける一升瓶のみを販売しているのです。
杜氏自身「うちの酒は開けたては全然おいしくない」と言ったりするそう(もちろん開けたても旨い)ですが、それほどに熟成させて丸くなっていく味の変化を楽しんでほしいことが伝わってきますよね。
「菊鷹」の親・山本克明とは
古くは使用されていたものの「菊鷹」は、当時すでに使われていない銘柄でした。しかし、それを復活させた人が、現在の「藤市酒造」のトップ・山本克明です。
杜氏の中ではまだまだ若い歳であるにも関わらず、藤市酒造に就任する前の大阪の酒造では「山本スペシャル」という酒が有名になり、多くのファンを獲得するに至った人物なのです。
山本克明氏の歴史
山本氏は滋賀県・池本酒造(「琵琶の長寿」など)、大阪府の西條合資会社を経て、退社後に南部杜氏組合にて杜氏資格を得て藤市酒造に入社しました。
藤市酒造は以前から山廃の酒を醸していたことから、専務の加藤氏が山廃仕込みができる杜氏を募集していました。山本克明氏は山廃の経験があったことから、藤市酒造に入ることになったんだそう。
藤市酒造に入る前の大阪の蔵では、「頭」という杜氏に次ぐ、2番手のポジションについていたそうです。
しかし、山本克明氏は頭をしていた段階で「山本スペシャル」という作品を造り、頭であるにも関わらずファンを獲得し有名になりました。
ずっしり酒だけではない「ハミングバード」
山本克明率いる「菊鷹チーム」は非常に勢いがあり、ファンからも「最強チームだ!」と尊敬されるほど。
その功績の一つとして興味深いのが「菊鷹-ハミングバード-」です。
菊鷹は基本的に重い味ばかり。そこで、もっと間口を広げようという趣旨で誕生したのがハミングバードです。
甘い芳香とみずみずしい果実のような酸味が特徴で、口の中に爽やかな味わいが広がっていきます。
まさに小さいかわいらしい鳥であるハミングバードが、翼をたくさん振って飛んでいる様子を表したような味と言えるでしょう。
なぜハミングバードという名前なのかと言うと、山本克明氏の趣味が関係しているのだそう。
某歌手の楽曲に「ハミングバード」という曲があり、それが当時の山本氏の愛唱歌だったとか。
無難な酒造りではなく、攻めの酒造りにチャレンジし続ける杜氏なのですね!
「菊鷹」おすすめアイテム
菊鷹~Hummingbird~ 純米 無濾過生原酒

優しい甘みとそれを下から持ち上げるように支えるミルキーな酸味があります。ぜひ食中酒として味わっていただきたい一品。ホルモンや酢で締めたイワシなどとよく合います。商品詳細はこちら
菊鷹 山廃純米吟醸 火入れ酒~雲外蒼天~27BY

菊鷹~菊花雪~純米無濾過生酒うすにごり 29BY

まとめ
若い日本酒であるにも関わらず、ユニークで攻めの姿勢がある「菊鷹」。これからも藤市酒造の造る酒に注目していきたいものです。
ネットでも気軽に購入可能ですので、気になった方はぜひともその味わいを確かめてみてください。
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