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瓶内二次発酵って何?スパークリングワインのシュワシュワの秘密

発泡性のワインは、全てシャンパンだと思われている方は、まだまだ少なくはありません。本来、シャンパンはシャンパーニュというフランスの北部の地方の名称であり、このシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのみが、「シャ …

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発泡性のワインは、全てシャンパンだと思われている方は、まだまだ少なくはありません。本来、シャンパンはシャンパーニュというフランスの北部の地方の名称であり、このシャンパーニュ地方で造られるスパークリングワインのみが、「シャンパーニュ」を名乗れます。さて、シャンパーニュがなぜ、シャンパーニュという名を守るのか。

それは、この土地らしい製造方法にあります。今回、シャンパーニュを支える伝統の製造方法、瓶内二次発酵についてを紹介します。

瓶内二次発酵とは?


まず、瓶内二次発酵とは何か、ということを解説していきます。スパークリングワインには、さまざまな製法があるのですが、瓶内二次発酵はそのうちのひとつです。

ほか、大きなタンク内で醗酵させるシャルマ、ガスを吹き込む炭酸ガス注入方式などがあります。

瓶内二次発酵は、スパークリングワインを造る上でもっとも手間がかかる方式であり、昔ながらの製法のため別名「トラディショナル方式」「シャンパーニュ方式(シャンパーニュ地方だけの呼び名)」とも言われています。では、一体どの程度手間がかかるのでしょうか。

瓶内二次発酵の製造工程


では、瓶内二次発酵の製造方法を簡単に解説していきましょう。まず、一般的な白ワインを造ります。出来上がった白ワインに、酵母とショ糖を入れて瓶詰めを行います。

酵母は糖分を食べ、分解することで炭酸ガスとアルコールを生成させます。つまり、白ワインをもう一度瓶内で醗酵させるために、瓶内二次発酵と呼ばれているわけです。

しかし、この瓶詰めの前に行われるのが、シュール・リーという製法です。これは、白ワインの状態で樽の中で熟成させる方法です。樽の中で白ワイン熟成させていると、酵母が自己消化をスタートさせます。

硫黄を多少発生させるのですが、アミノ酸などが含まれていることからも、さまざまな成分、旨味がワイン内に溶け込んでいき、より深みと旨味のあるワインとなっていくわけです。これだけでも、1年以上熟成させるため手間がかかるわけです。

瓶内熟成も手間がかかる


瓶内で熟成させる期間も長きに渡るわけですが、問題は滓が溜まっていってしまう、ということです。酵母が分解などを経て滓となるわけですが、見た目が良くないということで消費者が毛嫌いします。

そこで、クルクルと専用の台に入ったワインボトルを回し、滓を撹拌させます。こうすることで、さらに旨味が瓶内にも広がっていき、さらには滓も固まらずに済むわけです。そして、次に一気にボトルごと冷やす工程が用いられます。

ボトルを逆さまにして、ボトルの先部分に滓を溜め込み、一気に抜栓すると滓とともに液体が噴射します。これで、ワイン中に滓が残らずにキレイなるのです。しかし、気になるのが減ってしまった分のワインです。ここに、リザーブしてある白ワインをプラスしてつぎ込み、さらには軽くショ糖を入れて栓を差し込み完成です。

さまざまな規定がある


さて、ここまで瓶内二次発酵のざっくりとした説明をしてきましたが、当然ながらさまざまな規定の違いが存在しています。例えば、良いヴィンテージだった年のブドウは収穫年だけのブドウから白ワインが造られ、それが瓶内二次発酵によってスパークリングワインとなります。

一方、さほど良いヴィンテージでは無かったり、ブドウの品質が思ったほど高くない時は、以前に造っておいたベースワインをブレンドされ、二次発酵の工程へすすみます。前者は最低3年以上の熟成が必要であり、後者は15ヶ月。もちろん、これが最低期間ですので、10年、20年と熟成させられるものもあるわけです。

無数のように厳しい規定が定められており、それを守ったワインだけが、「シャンパーニュ」と名乗れるので、高級品として扱われているわけです。シャンパーニュを大勢に振る舞う時、少しばかりウンチクを語ってみてもいいのではないでしょうか。

《ロンボ》

ロンボ

「NOMOOO」ライター。好きなお酒はワインと焼酎です。蔵元やワイナリー訪問もしたりします。最近は醸造酒の魅力にも気付きました。「酒は蔵元で飲むのが一番上手い」がモットーです。

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