日本全国で造られている個性豊かな日本酒。その土地ごとの特色を生かした日本酒造りが、各都道府県で行われています。
今回ピックアップするのは、大分県の日本酒。伝統的な日本酒造りをルーツに持つ背景があることから、日本酒ファンにも注目される土地です。
ここでは、ランキング形式で紹介するおすすめの10本のほか、味の特徴や歴史、人気の酒蔵までご紹介していきます。
大分県の日本酒の特徴
伝統的な麻地酒がルーツ
大分県の日本酒は、麻地酒(あさじざけ)の製造工程の流れを汲んでいるのが特徴です。
麻地酒とは、江戸時代の豊後の国で誕生したにごり酒のこと。蒸し米・米麹・水を仕込み密封し、土の中に埋めて翌年の土用頃まで熟成させることで完成します。特徴は甘美な味わい。「甫庵太閤記(ふあんたいこうき)」や「御伽草子(おとぎぞうし)」に記されている酒であり、その名は全国に知れ渡っていたそうです。
大分の日本酒を語る上で知っておきたい豊後練貫酒とは?
また、麻地酒だけでなく豊後練貫酒(ぶんごねりぬきざけ)も、大分県の日本酒を知る際には知っておきたいワードになります。
豊後練貫酒とは、遡ること約五百五十年、応仁二年(1468)年に初めて登場する酒です。もち米・白米・麹・焼酎を一度に仕込み、30〜40日してから臼でひき、絹漉しすることで完成します。
この酒は、現代の白酒や清酒のような味であり、広く庶民に愛飲されていたそうです。
歴史ある豊後練貫酒と麻地酒。特に麻地酒は、幕府への献上品だったことでも知られており、現代までその製造工程の流れが汲まれているのです。
大分県の日本酒ランキングtop10
大分県日本酒ランキング10位:純米大吟醸 源
「純米大吟醸 源」は、日本酒本来の旨味が特徴。吟醸香を重視した純米大吟醸酒です。
"重視した"と表現しましたが、その香りの主張は強過ぎず、ほど良く漂ってくれます。料理の邪魔をしないので、食中酒として楽しむのがオススメです。
大分県日本酒ランキング9位:鷹来屋 特別純米酒
「鷹来屋 特別純米酒」は、旨味とキレを両立した味わいが特徴。福岡県産の山田錦と、大分県産のヒノヒカリを使用した特別純米酒です。
食とのバランスが考えられた、スマートな仕上がりも特徴。食事中、飲み疲れすることなく美味しく楽しめる"鷹来屋の顔"とも言える一本です。
大分県日本酒ランキング8位:ちえびじん 純米大吟醸
出典:日本酒 ちえびじん 純米大吟醸酒 山田錦 1800ml【中野酒造】
「ちえびじん 純米大吟醸」は、官能的な米の甘み・旨味が特徴。大分県杵築市山香町で育てられた山田錦を100%使用した純米大吟醸酒です。
バランス良く仕上げられた無濾過生の日本酒なので、飲み飽きすることはありません。食事と一緒に味わうのはもちろん、単体で同商品の良さを堪能するのもオススメです。
大分県日本酒ランキング7位:西の関 花にごり
「西の関 花にごり」は、バランスの良い甘みと酸味が特徴。日本酒度-14に仕上げられた、甘口タイプのにごり酒です。
冷酒や冷やでスッキリと味わうのがオススメ。女性が味わったり、男性が女性へのギフトにするのにピッタリな、美しく薄桃色に染まった一本です。
大分県日本酒ランキング6位:西の関 原酒徳利
出典:萱島酒造 原酒徳利 [ 日本酒 大分県 720ml ] [ギフトBox入り]
「西の関 原酒徳利」は、まったりとしたコクと、しっかりとした飲みごたえが特徴。原料米にヒノヒカリを用い、手造りで醸された本醸造原酒です。
原酒らしく、アルコール分は17度と少し高めなので、ちびちびとゆっくり堪能するのがオススメ。世界農業遺産・国東半島のみで生産されている、七島イ細工の網袋が付いているのも特徴なので、ギフトとして利用してみるのも良いでしょう。
大分県日本酒ランキング5位:西の関 大吟醸 滴酒
「西の関 大吟醸 滴酒」は、華やかで心地良い風味が特徴。精米歩合35%まで磨き上げられた大吟醸酒です。
日本酒度は5の辛口に仕上げられた一本。冷やで楽しめば、同商品が持つ軽やかさをストレートに味わえます。
大分県日本酒ランキング4位:智恵美人 純米酒
出典:中野酒造 智恵美人 純米酒 箱入 720ml アルコール分15度 [大分県]
「智恵美人 純米酒」は、穏やかな香りとコクのある旨味が特徴。香味がバランス良く調和している純米酒です。
低温長期発酵で醸し、中辛口にまとめ上げられた一本。"モンドセレクション"で、三年連続最高金賞を受賞した天然水を仕込み水に使用している、中野酒造ならではの水の良さを感じることができる日本酒です。
大分県日本酒ランキング3位:ちえびじん 純米酒
出典:ちえびじん 純米酒 一度火入れ 720ml 大分県杵築市中野酒造 フランス蔵マスターコンクール最高賞
「ちえびじん 純米酒」は、心地良い香り、熟したフルーツのような含み香と米の甘みが特徴。大分県杵築産米"ひとめぼれ"と、麹に酒米の王様"山田錦"を使用した純米酒です。
優しい甘味と綺麗な酸をテーマに醸す、平仮名「ちえびじん」シリーズ。その中でも同商品は、コストパフォーマンスに優れた一本として展開されています。
酒質向上のために、あえて"ひとめぼれ"100%で仕上げなかった、こだわりの一品。味はもちろん、ショッキングピンクのラベルに包まれたデザイン性の高い佇まいは、どこかエレガントな女性を思わせます。
大分県日本酒ランキング2位:上撰 龍颯
出典:藤居酒造 上撰 龍 颯 [ 日本酒 大分県 1800ml ]
「上撰 龍颯」は、飲みごたえのある味わいが特徴。明治五年(1872年)創業、百四十年以上の伝統を受け継ぐ藤居酒造の歴史を感じられるような日本酒です。
厳選した国内産原料米を使用。仕込み水には、平成十六年(2004年)度全国河川水質調査で、日本一となった川の一つ"大野川上流域"の水を用いています。
確かなこだわりがありながらも価格はリーズナブル。日々の晩酌の際に気軽に利用できる、日常に寄り添ってくれるような一本です。
大分県日本酒ランキング1位:純米大吟醸酒 神々
出典:大分 純米 大吟醸酒 神々 (じんじん) 17度 温泉水入 日本酒(LINES)720ml
「純米大吟醸酒 神々」は、端麗辛口の味わいが特徴。米と米麹、そして温泉水を用いて醸された純米大吟醸酒です。
精米歩合は50%。米の雑味を可能な限り取り除くため、米の半分近くを削ることで、旨味を最大限に引き出しています。
古くから"美人の湯"と呼ばれる、地下800mの温泉水を使用しているというLINESならではのブランド「神々」。焼酎や梅酒としても展開されている同ブランド自慢の日本酒を、堪能してみるのはいかがでしょうか?
大分県の酒蔵ランキングtop5
大分県酒蔵ランキング5位:八鹿酒造
八鹿酒造は、元治元年(1864年)に創業した玖珠郡の酒蔵です。
九重の自然を活かした酒造りが特徴。九重の麓、山の麓、日本酒造りに適したこの寒冷な地で、約百五十五年に亘り名酒を世に送り続けています。
代表銘柄は「八鹿」です。
大分県酒蔵ランキング4位:浜嶋酒造
浜嶋酒造は、明治二十二年(1889年)に創業した豊後大野市の酒蔵です。
完全手造り、そして全量槽搾りであることが特徴。地元の米を用い、食中酒向きの日本酒を醸しています。
代表銘柄は「鷹来屋」です。
大分県酒蔵ランキング3位:萱島酒造
萱島酒造は、国東市の酒蔵です。
代表銘柄「西の関」の歴史は明治六年(1873年)よりスタート。明治四十年(1907年)には、第一回全国清酒品評会で一等入賞、昭和三十八年(1963年)には、全国に先駆けて大吟醸酒の市販を開始したブランドです。
伝統的手造り手法を発展継承し、甘・酸・辛・苦・渋の五味の調和した日本酒本来の旨さを追求している「西の関」を、堪能してみるのはいかがでしょうか?
大分県酒蔵ランキング2位:中野酒造
中野酒造は、明治七年(1874年)に創業した杵築市の酒蔵です。
蔵の地下200mから汲み上げる良質な天然水と、主に地元産原料で仕込む、地産地消の酒造りが特徴。初代女将"智恵"の名にあやかった日本酒「智恵美人」を展開しています。
また、六代目が立ち上げたブランド「ちえびじん」も代表銘柄です。
大分県酒蔵ランキング1位:藤居酒造
藤居酒造は、明治五年(1872年)に創業した臼杵市の酒蔵です。
山中深くの洞窟貯蔵庫や久保ん谷湧水を用いた造りなど、独自の設備や製法が特徴。近年は、地域産品を活かしたリキュールや飲料の製造など、地域社会や産業への貢献を目指した商品開発が行われています。
代表銘柄は「龍梅」です。
伝統的な造りがルーツ!大分の日本酒を楽しもう
麻地酒、豊後練貫酒といった伝統的なワードがキーぽーイントとなっている大分の日本酒。歴史ある酒造も多く、古くから脈々とその伝統が受け継がれてきているようですね。
お気に入りの1本は見つかりましたか?今回ご紹介したのは、ほんの1部分。ランキングを参考にしながら、好みのテイストの日本酒を見つけてみてくださいね。