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「君の名は。」で話題になった“あのお酒”!「口噛み酒」について徹底解説

皆さんこんにちは。 2016年夏に公開された大ヒットアニメ映画、「君の名は。」を覚えていますか? 『聖地巡礼』が大ブームとなったり、最先端の映像技術として教科書に起用されたりと社会現象となりました。 さて、そんな映画の中 …

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皆さんこんにちは。

2016年夏に公開された大ヒットアニメ映画、「君の名は。」を覚えていますか?
『聖地巡礼』が大ブームとなったり、最先端の映像技術として教科書に起用されたりと社会現象となりました。

さて、そんな映画の中でキーポイントとなっていたものといえば「口噛み酒」ですよね。

でも本当に噛んだだけでお酒になるの?自分でも造れるの?
そんな皆さんの疑問をまるっと解決するために、今回は「口噛み酒」について徹底解説していきます!

口噛み酒の起源とは


現代のように微生物によるアルコール発酵技術が発展していなかった古代の日本や台湾では、穀物や木の実などを口に入れて噛み、それを吐き出して溜めたものを放置して酒を造っていました。

これがいわゆる「口噛み酒」。

日常的に飲む用のものではなく、古代の神事の際に造られていたと言われています。

ではなぜ噛んで放置するだけでお酒が造れるのでしょうか?

これはデンプンを持つ食物を口に入れて噛むことで、唾液中のアミラーゼがデンプンを糖化させることができるためなんだそう。

酵母は糖を分解してアルコールを生成するので、現在の日本酒造りでも原料の米を糖化させる作業はとっても大切なんです!

口噛み酒は、噛むことによって糖化に成功した穀物や木の実を溜めておくことで野生酵母が糖を発酵してアルコールを生成して酒が出来上がるという仕組みになっているのです。

ちなみに、口噛み酒の詳しい起源や発生地は未だに謎に包まれています。

現段階では「穀物以外のデンプンを含んだ植物を食べていた東南アジアから南太平洋域」が有力とされていて、これらの文化や米が伝わっていく時に口噛み酒も根付いていったのではないかと言われています。

ちなみに日本列島で口噛み酒が造られていたのは、縄文時代後期以降と考えられていますが、現在の日本酒との歴史的な繋がりはないとのことです。

口噛み酒は造れるの?


噛んで放置するだけなら自分でも簡単に造れるんじゃ…そう思ったnomooo読者さんも多いはず。

結論から言えば、誰でも簡単に造れます。

ただし皆さんご存知の通り、口の中は雑菌だらけ、発酵の過程で雑菌が増殖し腐敗臭を発することもあります。
衛生的な面を考えても個人で造って飲むのは避けたほうが良さそうですね。

ちなみに酒税法上、アルコール度数が1%以上のものは酒類に分類されています。

日本は許可なしに酒を造ることは禁じられているので、口に含んだお米を発酵させて1度以上のアルコールを製造する口噛み酒は、酒税法違反にあたるのです。

醸すの起源は○○


酒造りを表現する「醸(かも)す」という言葉。
実は口噛み酒の「噛(か)む」が語源であるという説があります。

たしかに発音も似ているので、「噛む」から「醸す」に変わったというのもわかるような気がします。

ちなみに農業博士の住江金之の著書「酒」では「醸す」は「かびす」から転じたものである、と分析されているそうです。

映画の口噛み酒を再現した「聖地の酒」が発売されている!?


映画「君の名は。」の舞台となり、実際に数多くのファンが聖地巡礼として訪れる岐阜県飛騨市。

そんな岐阜県飛騨市にある渡辺酒店では、口噛み酒風の「聖地の酒」を販売中です。

「聖地の酒」は実際に口で噛んで造ったお酒ではありませんが、飛騨産の酒米「ひだほまれ」を原料に使い、不老不死の水と呼ばれる自家井戸清水で醸した純米吟醸酒を「瓶子(へいし)」に詰めています。

劇中に登場した三葉の口噛み酒とソックリ!!

ふくらみのある旨味と優しい甘みの感じられる日本酒のため、常温や、ぬる燗、熱燗でもおいしくいただけます。
どんなお料理とも相性が良いので食中酒としてもおすすめです。


まとめ

いかがだったでしょうか。

口噛み酒を詳しく知った上で映画を見たらまた新しい発見があるかも…!?

筆者もなんだかまた映画が見たくなってきてしまいました。

今日はTS●TAYAに寄ってから帰宅しようと思います。

《まりん》

まりん

ビール好きな女子大生。女性がよりお酒を楽しめるような情報を大学生の目線でわかりやすく発信していきたいなぁと思っています。

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