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ワイン好き注目の国!オーストラリアワイン人気おすすめランキングTop10【専門家セレクト】

オーストラリアは、ワインの生産量・輸出量・消費量のすべてにおいて世界10位以内にランクインする「ワイン大国」です。近年、日本の小売店でもオーストラリアワインの売り場が広くなってきました。 オーストラリアでは、地域ごとに多 …

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オーストラリアは、ワインの生産量・輸出量・消費量のすべてにおいて世界10位以内にランクインする「ワイン大国」です。近年、日本の小売店でもオーストラリアワインの売り場が広くなってきました。

オーストラリアでは、地域ごとに多彩なワインが造られています。品種も味わいもさまざまなので、どのワインを選ぶべきか迷ってしまうかもしれませんね。

そこで今回の記事では、数あるオーストラリアワインの中から、美味しくて手に入りやすいおすすめワインを10本ご紹介します。オーストラリアワインの基礎知識とともに、ぜひ参考になさってください。

オーストラリアワインの歴史

オーストラリアの自然

オーストラリアワインの歴史は1788年、英国海軍アーサー・フィリップ大佐がシドニーにワイン用ぶどうを持ち込んだことから始まります。それから37年後の1825年、「オーストラリアワイン用ぶどう栽培の父」と呼ばれるジェームズ・バズビー氏によって本格的なぶどう園が開かれ、それをきっかけにしてワイン生産が広まっていきました。

当初は甘口ワインの生産が主でしたが、次第に辛口ワイン造りが盛んになり、近年では最新技術の積極的な導入によって世界有数の高級ワインも生産されるようになっています。

現代のオーストラリアでは、新世代の造り手を中心に「ナチュラルワイン・ムーブメント」が起こっています。

ビオディナミやオーガニック農法でぶどうを栽培し、なるべく人の手を加えない方法で造られるナチュラルなワインが大人気。こうした動きも相まって、今オーストラリアワインは世界のワイン好きからも注目される存在になっているのです。

多種多様なワインが生まれる国

オーストラリアワイン

オーストラリアには、大陸の南半分に帯状に広がる形で、60地区以上ものワイン産地が点在しています。

特徴的なのは、それぞれの産地が多様な個性を持っていること。同じオーストラリア大陸にあっても、産地によって土壌の特性も気候区分が異なるため、同じぶどう品種を使ったワインでも、産地が違うだけで全く違う味わいになるのです。

以下で、産地ごとの特徴を簡単にご紹介します。

南オーストリア州

南オーストリア州は、オーストラリアワインの生産量の大半を担う国内最大のワイン産地です。また、世界で最も古いシラーズの樹が残っている地としても知られています。

この州で有名なのは、バロッサ・ヴァレーとクナワラです。

バロッサ・ヴァレーは「シラーズの首都」とも表現される産地で、凝縮度が高く熟成力を持ったシラーズのワインが造られています。対してクナワラは、オーストラリアを代表するカベルネ・ソーヴィニヨンの銘醸地。「テラ・ロッサ」という赤い粘土質と石灰岩質のコンビネーションによって成り立つ土壌から、濃厚でやわらかく、清涼感を持ったカベルネ・ソーヴィニヨンのワインが生まれています。

白ワインで有名なのは、クレア・ヴァレーとイーデン・ヴァレーです。両方とも、上質なリースリングを産出しているエリアです。

クレア・ヴァレーの中でも土壌特性がさまざまで、石灰岩質土壌の地区ではジューシーな果実味を持つワイン、粘板岩質の地区ではミネラル感の豊かなワインが生まれます。一方イーデン・ヴァレーでは、岩の多い土壌から、ライムの香り高く熟成力のあるリースリングが生み出されています。

ニュー・サウス・ウェールズ州

ニュー・サウス・ウェールズ州は、オーストラリアにおいて最も歴史のある産地です。1790年代にシドニーの地でブドウ栽培が始まり、1820年代にハンター・ヴァレーへと広がっていきました。

そのハンター・ヴァレーでは、セミヨンで造られた白ワインが特に有名です。

セミヨンはもともと、フランス・ボルドーのソーテルヌで甘口ワインに使われる品種として有名ですが、「ハンター・セミヨン」は辛口で仕上げるスタイル。酸度が下がる前に収穫し、長期熟成を経て飲まれます。

西オーストラリア州

西オーストラリア州は、総生産量こそ少ないものの、国内トップクラスの高品質・高価格帯ワインの数々を生み出している産地です。

中でも有名なのが、マーガレット・リヴァー。科学的な調査の結果「ワイン産地として適している」と判明し、その結果ぶどう栽培がはじまったユニークな産地です。地中海性気候の温暖な環境で、カベルネ・ソーヴィニヨンやシャルドネの上質なワインが造られています。

その他、グレート・サザンのリースリングにも注目が集まっています。南オーストリア州のクレア・ヴァレーやイーデン・ヴァレーと比べて、ユーカリのような清涼感とスパイシーさを伴うワインが多いのが特徴です。

ビクトリア州

ビクトリア州は、中・小規模生産者中心の産地で、冷涼な環境を活かしたワイン造りが盛んなエリアです。

中でも有名なのは、オーストラリアで最高級のピノ・ノワールを生み出しているヤラ・ヴァレーです。ここではシャルドネも高品質。非常に上品な味わいを持ち、長期熟成可能です。

タスマニア州

タスマニア州も、冷涼な産地としてピノ・ノワールやシャルドネが盛んに栽培されています。

モエ・エ・シャンドンのオーストラリア法人「シャンドン・オーストラリア」など、ビクトリア州や南オーストリア州に本拠地を置く大手ワイナリーの多くがタスマニアのぶどうを使用しています。いっぽうで個人経営の造り手もたくさん存在しており、大手生産者と中・小規模生産者が共存しているのが特徴です。

「スクリューキャップ・ワイン」のパイオニア

オーストラリアのワイン

オーストラリアは、スクリューキャップ使用ワインの普及に貢献した国です。その始まりは、クレア・ヴァレーの生産者13社が「2000年ヴィンテージから白ワインにスクリューキャップを使う」と一致して決めたことでした。

これをきっかけにして、オーストラリア国内、ニュージーランド、そしてフランス、ドイツ、チリなどに、スクリューキャップのワインが急速に広まっていったのです。

少し前までは、「コルクを使ったワインこそ上等なワインだ」というイメージが根強く存在していました。しかし、スクリューキャップは以下のように、コルクにはないメリットをたくさん持っています。

  • どこでも簡単に開けられる
  • ブショネ(コルク不良によるワイン劣化)の心配がない
  • ボトルによる差が生じにくい
  • 密閉性が高いので酸化が遅く、長時間熟成が可能になる
  • 開けたあとに再度栓をするのが容易
  • 貯蔵の際にワインを寝かせる必要がない

こういったメリットがあるため、スクリューキャップを使ったワインは、これからもどんどん増えていくと予想されています。技術革新によってワインの可能性が広がるのは嬉しいことですね!

おすすめオーストラリアワイン10選

それでは、おすすめのオーストラリアワインを10本ご紹介します。さまざまな産地から、美味しくて手に入りやすい赤・白・泡をセレクトしました。10位から順番に見ていきましょう。

10位 ファミリー・コレクション・エリザベス・セミヨン/マウント・プレザント


最初にご紹介するのは、ニュー・サウス・ウェールズ州のハンター・ヴァレーで造られる、セミヨンを使った辛口の白ワインです。生産者は、1921年以来高品質なワインを造り続けているマウント・プレザント

オーストラリア国王のエリザベス女王による初のオーストラリア訪問に着想を得て造られたもので、このワインのために、高貴なぶどうとして知られるセミヨンがハンターの地に導入されました。

砂質土壌で育ったセミヨンは、ワインに生き生きとした酸とすっきりとした切れ味をもたらします。ほどよい果実味と、ハーブのような複雑な旨味もこのワインの魅力。

レモンなどの柑橘類をドレッシングに使ったサラダや、オリーブオイルの風味をきかせた料理と相性抜群です。

9位 リザーヴ・バロッサ・シラーズ/ジェイコブスクリーク

続いては、オーストラリアで1,2位を争う銘醸地、南オーストリア州のバロッサ・ヴァレーで造られる赤ワイン。ぶどう品種はシラーズです。

生産者は、ウィンブルドンや全豪オープンのオフィシャル・スポンサーとしても知られるジェイコブス・クリークです。手頃な価格で非常にクオリティの高いワインを生み出している、日本でも人気の造り手です。

こちらのリザーブ・バロッサ・シラーズも、低価格ながら素晴らしいワインの1つ。最長で22か月にも及ぶ熟成期間を経て生み出される深く豊かな味わい、火を入れたブラックベリーやプラムを思わせる凝縮した果実感、そしてスパイスやカカオのような心地よい余韻。

今飲んでもじゅうぶん美味しいですが、5~10年ほど寝かせるのもおすすめです。

8位:マーガレット・リバー・シラーズ/エヴァンズ・アンド・テイト

【マーガレット・リバー産プレミアムワイン】エヴァンズ・アンド・テイト マーガレット・リバー・シラーズ [ 赤ワイン ミディアムボディ オーストラリア 750ml ]

こちらも、9位のワインと同じくシラーズで造られた赤ワイン。しかし今度は、西オーストラリア州のマーガレット・リヴァーで造られている1本です。生産者は、マーガレット・リヴァーに本拠地を置くエヴァンズ・アンド・テイト。かつては、ほとんどのワインを国内のみで販売していましたが、最近では輸出にも積極的に取り組んでいるワイナリーです。

マーガレット・リヴァーで育つシラーズからは、やわらかくなめらかなタンニンを持つ赤ワインが特徴。熟したチェリーのような果実感、スパイスのニュアンスや樽熟成由来のバニラ感ともあいまって、濃厚でありながらもエレガントな雰囲気を表現しています。

いつもよりもワンランク上のオーストラリアン・シラーズを楽しみたいときに、ぜひ試してみてください。

7位:ブロック1・リースリング/フォレスト・ヒル

続いては、西オーストラリア州のグレート・サザンで造られる、リースリングを使った白ワインです。リースリングと言えばドイツのイメージが強いかもしれませんが、オーストラリアでも冷涼な地域を中心に、美味しいリースリングのワインが生まれています。

このワインは、樹齢50年以上、かつ水やりを一切しないで育てたぶどうのみで造られています。さらに、できるだけ果実にストレスを与えない方法で出てきた「フリーラン果汁」のみを使用。こうして取れるのは、果汁全体のわずか35%だと言われています。

ライムを切った瞬間のようなキリッとした爽やかさのあとに、白い花を思わせる甘やかな香りと、心地よいミネラル。かすかに感じられるジャスミンティーやスパイスのようなニュアンスが、ワイン全体に複雑さをもたらしています。

リースリングがお好きな方に、ぜひ一度お試しいただきたいワインです。

6位:ヤラ・ヴァレー・ピノ・ノワール/ジャイアント・ステップス

続いてご紹介するのは、ビクトリア州のヤラ・ヴァレーで、ピノ・ノワールを使って造られた赤ワイン「ジャイアント・ステップス」です。

こちらのワインは、有名評論誌『ワイン・スペクテーター 2019』にて、ピノ・ノワール部門の第2位に輝くという実績を持つ1本。第1位の「ボー・フレール」は2万円を超えるワインですから、ジャイアント・ステップスのピノ・ノワールは驚異のコストパフォーマンスを誇るワインだと言えるでしょう。

ぶどうと畑の個性を存分に味わってもらうため、野生酵母のみを使い、清澄・濾過はおこないません。また、ぶどうにストレスを与えない方法で果汁を絞り、ピュアな美味しさを実現しています。

その味わいには、ブルゴーニュを思わせる旨味と繊細さがあります。ブルゴーニュのピノ・ノワールがお好きな方は、ぜひ一度試してみてください。

5位:プレミアム・キュヴェ/ジャンツ

プレミアム キュヴェ NV ジャンツ (750ml)泡

こちらは、タスマニアの地で造られた辛口スパークリングワイン。品種はピノ・ノワールとシャルドネを使用し、シャンパーニュと同じ製法の「瓶内二次発酵」で造られています。

造り手は1986年に設立されたジャンツ。タスマニア島北東部の冷涼な地区で、早くから瓶内二次発酵を手掛けていたワイナリーです。今では、タスマニアを代表する高級スパークリングワインの造り手としてその名を轟かせています。

白い花や柑橘類の甘酸っぱい香りがふわっと立ち上ったあとに感じる、いちごやヌガーの上品なニュアンス。味わいはフルーティーであると同時にとてもクリーミー。その美味しさをじゅうぶんに味わって飲み込んだあとにも、上質で複雑な余韻が長く続きます。

特別な日に合わせて楽しみたいスパークリングワインです。

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4位:スプリングヴェイル・リースリング/グロセット

グロセット・スプリングヴェイル・リースリング [ 2016 白ワイン 辛口 オーストラリア 750ml ]

続いては、南オーストリア州のクレア・ヴァレーで造られる白ワイン「グロセット スプリングヴェイル・リースリング」。使われているぶどうは、クレア・ヴァレーを代表する品種、リースリング。そして生産者は、オーストラリアを代表するリースリングの生産者、グロセットです。

グロセットは、「リースリング・ワインメーカー・オブ・ザ・イヤー」や「ベスト・リースリング」など多数の賞を受賞し、ジャンシス・ロビンソン氏をはじめとする数々の評論家から絶賛されている造り手です。かつて受賞時の賞金を地元の病院に寄付したこともあり、町の入口には彼の業績を称える看板が立てられています。まさに、クレア・ヴァレーが誇るワイン生産者、それがグロセットなのです。

こちらのリースリングは、非常にドライで引き締まった1本。樹齢が高くなるとともにぶどうの根が石灰岩下層の片岩まで達し、以前にも増してミネラル感が前面に出てきているのだそう。

それに加えて非常にリッチな余韻も魅力的。高いポテンシャルを秘めており長期熟成も可能な、注目キュヴェのひとつです。

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3位:アップルジャック・ヴィンヤード・シャルドネ/ジャイアント・ステップス

6位にセレクトしたワインと同じ生産者、ジャイアント・ステップスによるシャルドネをご紹介します。ジャイアント・ステップスは様々な個性を持つ畑でぶどうを育てていますが、こちらのワインに使われているのは、東向きの斜面にある標高330mの畑で育ったシャルドネです。

畑の高い標高が、ワインに冷涼感をもたらします。美しく伸びる豊富な酸がとろりとした質感とあいまって、まるでレモンオイルのよう。貝殻を思わせるミネラル感が添える旨味がフィニッシュまで続いていきます。

こちらのワインは、造り手のスティーヴス・フラムスティード氏にとってもお気に入りの1本なのだとか。

ブルゴーニュの白ワインがお好きな方は、この上質な味わいをぜひ試してみてください。

2位:バロッサ・ヴァレー・グルナッシュ・シラーズ・マタロ/パウエル&サン

2位にセレクトしたのは、バロッサ・ヴァレーで造られた赤ワイン。 ぶどう品種としては、グルナッシュとシラーズ、そしてマタロが使われています。

パウエル&サンは、人の手による干渉を最小限に抑えて、土地の個性を最大限に引き出すワイン造りをおこなっている造り手です。

こちらのワインでは、ダークチェリーやブラックベリーなどの甘やかな香りとスモーキーなニュアンスが見事に融合して、うっとりするようなアロマを生み出しています。きめ細かいタンニンからは、力強さだけでなく深みと繊細さを感じることができるでしょう。

少量生産によって高品質を保ち続けていることでも有名ですので、希少性が高いのもポイント!見つけたら手に入れておきたいワインのひとつです。

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1位:95ブロック/パーカー・クナワラ・エステイト

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そして、1位はこちら。南オーストリア州のクナワラで、 カベルネ・ソーヴィニヨンを用いて造られた赤ワインです。

このワインは、自社畑の「95ブロック」で栽培された高品質なぶどうのみを使って造られています。この区画には、はるか昔にボルドーから持ち込まれた挿し木を使ったカベルネ・ソーヴィニヨンが植えられています。

さらにこちらのワインは、毎年製造されるわけではありません。最高のヴィンテージにだけリリースされるのです。見つけたら買っておきたい、貴重なワインだと言えるでしょう。

完熟したカシスやブラックベリーのいきいきとした果実味、針葉樹林にいるような心地よい香りに、かすかに香る花のようなニュアンス。タンニンは豊富ですが、非常になめらかな口当たりで、強さと優しさを兼ね備えたエレガントなワインです。

いつもはボルドー派のあなたも、たまにはクナワラのカベルネ・ソーヴィニヨンを楽しんでみてはいかがでしょうか。そのクオリティに、うれしい驚きを感じられるかもしれませんよ。

まとめ

オーストラリアのワイン畑

今回の記事では、オーストラリアのワインについてご紹介しました。

多種多様なワインが生み出されているオーストラリア。飲むたびに新たな発見をもたらしてくれる素晴らしいワイン生産国です。

この記事でもなるべく多様なエリアや品種を取り上げてみましたので、気になるものからぜひお試しください。多彩なオーストラリアワインの中から、あなた好みの1本が見つかることを願っています。

《瀬良万葉》

瀬良万葉

美食家であり文筆家。お酒と美味しいものを心から愛している。 「食」という行為を通したゆるやかなコミュニティづくりに興味があり、いつか自分で「お酒が飲める喫茶店」を開くのが夢。J.S.A.ワインエキスパート。

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