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沖縄の名店「泡盛倉庫」の店主に聞いた!泡盛の歴史と自宅で美味しく泡盛を楽しむ方法

※OKINAWA AWAMORI MAGAZINE より転載 焼酎のルーツになったとも言われている、歴史あるお酒・泡盛。泡盛を語る上で、沖縄の歴史は切っても切り離せない関係にあります。時代によって変化してきた泡盛と人々の …

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OKINAWA AWAMORI MAGAZINE より転載

焼酎のルーツになったとも言われている、歴史あるお酒・泡盛。泡盛を語る上で、沖縄の歴史は切っても切り離せない関係にあります。時代によって変化してきた泡盛と人々の関係性を、沖縄の有名BAR「泡盛倉庫」の店主に伺ってきました。

■泡盛倉庫とは?


泡盛ファンの聖地!泡盛専門の会員制BAR「泡盛倉庫」


泡盛倉庫は、泡盛を専門に扱っている会員制のBAR。泡盛好きの間では知らない人はいないほどの人気店です。

取り扱っている泡盛は、なんと800種類以上。初めて訪れる人は、壁一面に飾られてあるその泡盛の種類の多さに驚くことでしょう!

「泡盛倉庫」店主の比嘉さん


泡盛に対する最初のイメージは“お父さんが飲んで酔っ払うお酒”と、決して良い印象は抱いていなかったという比嘉さん。しかし、子供の頃からずっと身近にあった泡盛は、どこか気にかかる存在だったのだとか。

そして、年齢を重ねお酒に興味を持ちはじめ、バーテンダーとして働くようになった際、沖縄県外の人の方が泡盛に興味を持っており、県内の自分たちよりも知識があるという“ギャップ”にショックを受けたのだそうです。

「地元なのに何も知らない…」600年続く1つの文化として、沖縄の地域と共に成長してきたお酒なのに、地元出身である自分が泡盛のことを何も知らない。その事実が悔しかったという比嘉さん。現在では、泡盛の素晴らしさや歴史を伝えることが自分の役割だと感じ、ここ泡盛倉庫で日夜“泡盛のストーリー”をお客様に伝えているのです。

■比嘉さんに聞いた!泡盛のあれこれ!


そんな、”泡盛ストーリーテラー”である比嘉さんに、泡盛について色々聞いてきました。泡盛の歴史や、沖縄の人の泡盛の楽しみ方など、興味深いお話が満載です!

泡盛の楽しみ方の変化


比嘉さん:「沖縄県外の方々は、泡盛は“ロックで飲む強いお酒”だと感じていることが多いですよね。でも、実際のところ沖縄では、泡盛は水割りで楽しまれることが圧倒的に多いんですよ。」

ただし、泡盛の歴史を振り返ると“水割り文化”が定着したのはつい最近のことなのだと、比嘉さんは語ります。

比嘉さん:「しかし、泡盛600年の歴史の中で、最初の500年はストレートで飲まれていたんです。そういった意味では、泡盛が強いお酒という認識は決して間違いではありません。だからといって、お酒が強い人だけが、浴びるようにゴクゴクと飲んでいたお酒かというと、それもまた違います。実は泡盛は、小さな盃に入れて、チビチビと舐めるように嗜む“食後酒”のような形で楽しまれていたんです。」

泡盛という言葉の意味って?


泡盛のストーリーを語りながら、比嘉さんがおもむろに取り出したのは、小さな酒器とお酒が入った徳利のような器。

比嘉さん:「この小さな酒器の中をごらんください。ここに、泡盛という言葉の語源があります。」

高い位置から、小さな酒器めがけて泡盛を注ぐ比嘉さん。注がれる泡盛に注目していると、徐々に“泡が立っている”ことに気づきます。


比嘉さん:「泡盛の度数によって、それぞれ泡の立ち方や大きさ、キメの細かさが違います。機械も何もない時代、この泡立ちによってお酒の良さを測る、“泡を盛る”お酒という意味で泡盛という名前がついたと言われているんですよ。

泡盛は、より高いアルコール度数を追求するように作られたお酒です。それは何故かというと、長い期間熟成させることが前提だから。アルコール度数が低いと、時間の経過とともに品質が悪くなってしまう可能性があります。だからこそ、泡盛はより高い度数でつくるために工夫されたんです。

昔は、100年~200年の熟成古酒が当たり前のように飲まれていたそうです。ワインでもウイスキーでも、100年~200年の熟成古酒ってほとんど聞いたことないですよね?そういう意味でも、泡盛は世界のお酒が到達していない領域に達した類い稀なお酒なんですよ。」

■泡盛倉庫でしか味わえない!?究極のペアリング


シーンに合わせて、様々な泡盛の楽しみ方を提案してくれる比嘉さん。そんな中でも、泡盛倉庫だけでしか味わえないとっておきのペアリングを教えていただきました。

比嘉さん:「時代に合わせて泡盛の飲み方は変化していくものです。しかし、泡盛の高い度数をストレートで飲むという部分に、原点としての楽しみがあります。そこで、高い度数の泡盛を楽しむという視点から、当店とっておきのペアリングを楽しんでいただきたいと思います。」

冬瓜漬け×カカオ×泡盛でチョコレートに


比嘉さんが久米仙酒造の8年熟成古酒と一緒に用意してくれたのは、冬瓜漬けとカカオ豆。

比嘉さん:「これは、冬瓜を砂糖で煮詰めた『冬瓜漬け』というお菓子です。沖縄の王様が食べていたデザートということで、宮廷御用達だったお酒・泡盛一緒に食べれば王様の気分を味わうことができます。しかし、当店では王様よりも素晴らしい、“王様超え”を体感していただこうと、カカオ豆をご用意しています。」

比嘉さんおすすめ、クラフトチョコレートのお店で使われているこだわりのカカオ豆は丁寧に焙煎されていて、そのまま食べてもそこまで苦味は感じません。香ばしいナッツといった印象。

比嘉さん:「チョコレートって、本来カカオ豆と砂糖だけで十分成立するはずなんです。冬瓜を砂糖で漬けた冬瓜漬けと、カカオ豆を口の中で合わせれば……もうお分かりになりますよね。そう、チョコレートを感じるんです。その際、つなぎの役割として活きるのが泡盛。この3つを口の中で重ね合わせてみてください。王様ですら味わうことができなかった、極上の味わいを体験できますよ」

3つを口に含むと…….本当にチョコレートを食べているかのような感覚に陥ります。これは体験した人にしかわからない特別な感覚。ぜひとも皆さんに味わっていただきたい!

■泡盛倉庫が提案する!自宅で美味しく泡盛を飲む方法

泡盛は、誰しもが手軽に楽しめるお酒。そこで、自宅で美味しく泡盛を飲むコツを比嘉さんに聞いてみました!

泡盛サングリア


比嘉さん:「今私たちが飲んでいる泡盛は、基本的には長期間熟成させた古酒ではなく新酒です。泡盛は熟成させることによって、個性がどんどんでてくるお酒ですので、新酒の状態では個性がそこまでありません。しかし、裏を返せば、“染まりやすい”という個性があるんです。その個性を活かした飲み方として、私は泡盛サングリアをご提案したいと思います。」

取材当日は、スイカやオレンジといった果物やゴーヤやセロリなどの野菜で漬け込んだサングリアが用意されていました。

比嘉さん:「1月~12月それぞれの旬があります。泡盛サングリアでは、旬の果物・野菜を漬けることで、四季を感じることができます。四季を楽しむ豊かさとともに、泡盛の味わいも楽しんでほしいですね。香りを出すもの、味をつけるものをバランスよく入れてあげると美味しいサングリアが出来やすいです。トマトの甘みとバジル・セロリの香りを感じる当店の『イタリアンサングリア』なんかはいい例だと思いますね。度数が一般的なサングリアに比べ高めなので基本的には割って飲むのがオススメです。ソーダやトニック、ジンジャーエールなどご自身の好みに合わせて楽しんでみてください。」

比嘉さんいわく、柑橘系のフルーツ(グレープフルーツなど)を入れると失敗しずらく美味しく飲めるのだそうです!

泡盛ハイボールには“一手間”加えて!


比嘉さん:「泡盛は蒸留酒なので、糖類を含んでいません。そのため、水割りやソーダ割りといった飲み方で食中酒にして楽しむことにも向いているんです。、脂っこい料理と合わせれば、口の中の油分を流して爽快にしてくれます。ハイボールは特にスッキリするのでオススメですね。」

泡盛をソーダで割るハイボールも、一手間加えることでグッと美味しくなるのだと比嘉さんは教えてくれました。

比嘉さん:「オススメは、柑橘系のフルーツの皮(ピール)から出るエキスをかけてあげること。フルーツの実を入れる必要はありません。ひとかけらの皮から出る程度のエキスをサッと入れてあげるだけで、泡盛の持つフルーティーさが引き立ってさっぱりと飲めるんです。」

■時代に合わせて変わる泡盛の楽しみ方


本来ストレートで飲まれていた物が、水割りやハイボール、サングリアなどで楽しまれるようになるなど、時代に合わせてその形を変えてきた泡盛。比嘉さんは、泡盛のことを“未来のお酒”と表現していました。

比嘉さん:「時代によって飲み方が変化するというのも、1609年からの薩摩の介入、戦後のアメリカによる統治など様々な変化を経験してきた沖縄らしいですよね。固定概念に縛られなかったからこそ、今現在でもたくさんの蔵元が生き残っているのだと思います。泡盛に対する想いが、形を変えながら現在にも残っていますし未来にも繋がっていくんです。」

泡盛の楽しみ方に決まりはありません。今回ご提案した、サングリアやハイボールをきっかけに、ご自宅で自分なりの泡盛の楽しみ方を見つけてみてくださいね!

《久米仙酒造》

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