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テンプラニーリョの人気おすすめワインランキングTop10【専門家厳選】

近年、小売店やレストランなどで、スペインワインの取り扱いが目立つようになりました。手頃な価格で、本格的な美味しさが楽しめるスペインワイン。お好きな方も多いのではないでしょうか。 今回の記事では、そんなスペインワインの代表 …

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近年、小売店やレストランなどで、スペインワインの取り扱いが目立つようになりました。手頃な価格で、本格的な美味しさが楽しめるスペインワイン。お好きな方も多いのではないでしょうか。

今回の記事では、そんなスペインワインの代表品種とも言える「テンプラニーリョ」を取り上げます。日本で入手しやすい、おすすめのテンプラニーリョのワインをランキング形式で10本ご紹介!

品種に関する基礎知識と併せて、ぜひお役立てください。

テンプラニーリョってどんなぶどう?

黒ぶどう

テンプラニーリョの主な生産地

先述したとおり、テンプラニーリョはスペインを代表する赤ワインのぶどう品種です

栽培面積は世界第4位と上位に食い込んでいますが、なんとその9割以上が、スペインとそのお隣のポルトガルで栽培されています。ポルトガルでは主にポートワインのブレンドに使われるので、テンプラニーリョ主体のワインのほとんどがスペインで造られていると言っても良いでしょう。

テンプラニーリョの特徴・味わい

テンプラニーリョという名前は、「早い」という意味のスペイン語「Temprano(テンプラーノ)」に由来しています。その名の通り早熟な品種で、果皮が厚く、小ぶりなぶどうです。

テンプラニーリョを用いたワインの特徴としてよく挙げられるのは、いちごやラズベリー、プラムに似た繊細で華やかな香りです。一方、長期間樽熟成をおこなうと、スパイスやタバコ、なめし革などの香りも加わり、味わいもより複雑になります。

豊かな酸とタンニンを持ち、ボディがしっかりとしたワインでありながらも、口当たりはきわめてなめらかなのが特徴です。

早飲みタイプのカジュアルなワインも造られますが、長期熟成向きの力強いワインも多く作られます。

多数の別名を持っている!?テンプラニーリョの様々な呼び方

テンプラニーリョは、いくつものシノニム(別名)を持つ品種として有名です。

スペインの産地呼び方
ラ・マンチャセンシベル
リベラ・デル・ドゥエロティント・フィノ
ティント・デル・パイス
カタルーニャウル・デ・リェブレ
トロティンタ・デ・トロ
マドリッドティンタ・デ・マドリッド
ポルトガルの産地呼び方
ドウロ
ダン
ティンタ・ロリス
アレンテージョアラゴネス

このようにたくさんの呼び名があるのはどうしてなのでしょうか?

その理由には諸説ありますが、代表的な説はテンプラニーリョが各地に伝わるうちに、読み方やスペルが現地流のものに置き換わっていったというものです。また、その土地でもともと栽培されていたぶどうに各地の人々がそれぞれ名前をつけており、あとで調べてみたら同じテンプラニーリョだったのではないか、という説もあるのだそう。

魅力たっぷり!テンプラニーリョワインのおすすめ10選

それでは、日本で入手しやすいテンプラニーリョを10本ご紹介します。

今回は赤ワイン8本に加え、近年ワイン愛好家ははもちろんカジュアルなワイン好きにも人気が高まってきたトレンドのロゼワインもおすすめを2種類取り上げています!

ランキングを参考に、ぜひ様々な味わいを楽しんでみてくださいね。

第8位 ラ・プランタ/ボデガス・アルスアーガ・ナヴァーロ


最初にご紹介するのは、リベラ・デル・ドゥエロ産のテンプラニーリョです。ドバイの7つ星ホテル「バージュ・アル・アラブ」で、ハウスワインに選ばれたことでも有名なワイン。なんと1杯約7,000円もの値段で提供されているのだとか!

フレッシュなベリーの香りに木の香りやスパイスが加わった爽やかなアロマ。なめらかな質感を持っており、味わいは深く、どっしりした余韻が感じられます。

あまり重すぎないので、幅広いお料理と相性が良いのも嬉しいところ。コストパフォーマンスの高い1本です。

ラ・プランタ 赤 テンプラニーリョ リベラ・デル・ドゥエロ 2018 750ml La Planta スペイン スペインワイン 赤ワイン 赤 ワイン 辛口 ティント レゼルヴァ レゼルバ テンプラニーニョ ミディアムフルボディ フルボディ

第7位 エル・レシオ/ボデガス・マツ

トロで造られるマツ・シリーズ。日本語の「待つ」に由来するこのシリーズは、「エル・ピカロ(若人、ガキ大将)」、「エル・レシオ(働き盛り)」、「エル・ビエホ(長老)」 の3部作。その中から、成熟した大人の味わいを持つ「エル・レシオ」をご紹介します。

ビオディナミで栽培される、樹齢90~100年のぶどうのみを用いた贅沢なキュヴェ。木製の発酵槽で発酵後、フレンチオークの小さな新樽で14ヶ月熟成されます。

熱く濃厚な凝縮感と涼しげなエレガンスを併せ持つ、深い味わいのワインです。

第6位 π/ボデガス・ランガ

アラゴン州のトップ生産者であるランガが醸すワイン。テンプラニーリョのクローンと考えられている「コンセホン」という土着品種を100%使用しています。

「π」という名前は、このワインに用いる畑の面積が3.1416haであることに由来しています。円周率が記されたボトルがユニークで、パーティーなどでも話題になりそうです。

平均樹齢80年と古木のぶどうを用いており、若いぶどうには出せない凝縮感と複雑味が味わえます。生産量も少なめなので、テンプラニーリョがお好きな方はぜひチェックしてみてください。

パイ π スペイン 赤ワイン 750ml コンセホン 父の日 プレゼント

第5位 ピンティア/ボデガス・イ・ビニェードス・ピンティア

ピンティア 2013 ボデガス イ ビニェードス ピンティア 750ml 赤ワイン スペイン DO トロ

続いては、エネルギッシュなワインを生む産地、トロで生み出されるテンプラニーリョです。

2度の選果をくぐりぬけた高品質なぶどうのみを用いて、木桶で発酵を開始し、フレンチオーク樽70%とアメリカンオーク樽30%で発酵を完了させます。樽で12ヶ月熟成ののち、瓶内で最低12ヶ月熟成させています。

産地ならではの力強さと、ワイナリーの特徴であるエレガンスが、見事に両立するワイン。長期熟成にも耐えるポテンシャルを持っています。

ピンティア 2013 ボデガス イ ビニェードス ピンティア 750ml 赤ワイン スペイン DO トロ
ピノノワール・オンライン

第4位 ロス・コルミリョス/アバニコ

アバニコは、凝縮感のみを追い求めるのではなく、フレッシュで飲み心地のよいワインを目指している造り手です。そんなアバニコが、スペインの中でも特にパワフルな赤ワインを生み出すトロの地で、樹齢150年を超える古木のぶどうを用いて造ったテンプラニーリョです。

ブラックベリーなどの黒い果実やスパイス、ミネラルなどの要素がぎゅっと凝縮されたアロマに、濃厚かつ非常にきめ細かい味わい。余韻にはうっとりするような甘やかさが長く続きます。

古い木からは少量のぶどうしか収穫できないため、希少なワインでもあります。見かけたら買っておきたい1本ですね。

ロス コルミリョス [ 2016 ]アバニコ ( 赤ワイン )

第3位 ティント・ペスケラ・レゼルヴァ/アレハンドロ・フェルナンデス

アレハンドロ・フェルナンデスは、スペインにおける伝説的な造り手のひとり。ロバート・パーカー氏がティント・ペスケラを「これぞスペインのペトリュス」と評したことで一躍有名となりました。

限りなく自然に近い手法で育てられたぶどうを、天然酵母で自然発酵させています。こちらのレゼルヴァは、アメリカンオークで24ヶ月、瓶内で12ヶ月熟成。

チェリーやブルーベリーの豊かな果実感、タバコのようなスモーク感、樽由来のヴァニラ、心地よいミネラル、森を思わせる複雑な風味などが次々に感じられます。長い余韻の中に感じられる熟成香も魅力的です。

第2位 デ・バルドス・スプレマ・30メセス/ビンタエ


第2位は、ビンタエグループの造る上級キュヴェです。リベラ・デル・ドゥエロのぶどうを使用しています。

ドゥエロの中でも頂点に近い標高940mの畑で育った古木のぶどうを、手摘みで収穫。フレンチオークの新樽を使用して、なんと30ヶ月も熟成させたテンプラニーリョです。

この地で育つテンプラニーリョは早熟ではなく、10月になってようやく収穫できます。カベルネ・ソーヴィニヨンよりも晩熟なのです。ゆっくりと熟したぶどうを長期間樽熟成させることで、驚くほどの凝縮感と繊細さが生まれます。味わいのバランスも完璧。特別な日に開けたいテンプラニーリョです。

第1位 フロール・ド・ピングス/ドミニオ・デ・ピングス

おすすめランキング第1位は、大注目の造り手、ドミニオ・デ・ピングスのワイン。1996年の初リリース以降、ほとんどのヴィンテージでロバート・パーカー氏から90点以上の高評価を得ている、驚異のテンプラニーリョです。

1950年代中心の古木のぶどうを、100%手摘みで収穫。フレンチオークの新樽と1年使用済みの樽を半分ずつ使用して、16~18ヶ月の熟成をおこなっています。

グラスに注いだ瞬間に、芳醇な香りが広がります。プラムやアセロラ、薔薇の花、クローブ、インクなど、いくつもの要素が混ざりあった非常に複雑なアロマ。口に含むとたっぷりとした果実味が感じられ、酸とタンニンのバランスも絶妙で、パワフルでありながらエレガント。余韻も深くて長く、一度飲んだら忘れられないワインです。高いポテンシャルを有しているので、時間をかけてゆっくりと熟成させるのがおすすめ。

テンプラニーリョを使ったロゼワイン2選

テンプラニーリョといえば赤ワインのイメージが強いかもしれませんが、この品種からは美味しいロゼワインもたくさん造られているのです。ここではおすすめを2本ご紹介します。テンプラニーリョの赤ワインがお好きな方は、ぜひロゼワインもお試しください。

第2位 アンジュエール・ロゼ・セミセコ/フレシネ

スペインを代表するスパークリングワインワインメーカーのフレシネが、サントリーと共同開発したロゼスパークリングです。

いちごやラズベリーなどのフルーティーなアロマ。味わいにも果実味があふれ、太陽の恵みを感じられるワインです。

やや甘口の味わいなので、ワインが初めての方にも飲みやすいでしょう。

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第1位 イェマヌエヴァ・テンプラニーリョ・ロゼ/ボデガス・ラ・テルシア

天然酵母のみを用いて造られる辛口のロゼワインです。

造り手のボデガス・ラ・テルシアは、1920年の設立以来、伝統を守り続ける家族経営のワイナリー。平均樹齢50年以上の自根ぶどうを使い、1998年からはオーガニック農法でワイン造りをおこなっています。

ゆっくりと熟したぶどうから生じる、ラズベリーや花の華やかなアロマ、石灰質土壌から来るビビッドでクリアな酸、そしてほどよい塩気が美味しいロゼワインです。

繊細かつ濃厚なテンプラニーリョの美味しさを味わおう

赤ワイン

テンプラニーリョは、スペインで愛され続けるぶどうです。テンプラニーリョを用いたワインの華やかな果実感からは、スペインの太陽の恵みを感じることができます。

赤ワインにもロゼワインにも美味しいものがたくさんありますし、早飲みタイプもあれば、長期熟成が可能なものもあります。いろいろなテンプラニーリョを試して、産地や造り手による特徴の違いを楽しみましょう。

《瀬良万葉》

瀬良万葉

美食家であり文筆家。お酒と美味しいものを心から愛している。 「食」という行為を通したゆるやかなコミュニティづくりに興味があり、いつか自分で「お酒が飲める喫茶店」を開くのが夢。J.S.A.ワインエキスパート。

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