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人気作家・村上春樹作品に登場する、牡蠣とウィスキーのマリアージュを試してみた/ロマンを感じる味わいになった!

牡蠣が好き過ぎるワインエキスパート、よしみです。

いよいよ夏も終盤ですね。まだ暑いけど、空は秋の気配。なんだかちょっと寂しいような切ないような。

そんなしんみりした気分にぴったりなお酒といえばウィスキーじゃないでしょうか。

というわけで、今回のテーマは、牡蠣とウィスキーのマリアージュ!

先日、日本オイスター協会が主催する牡蠣とウィスキーの研究会に参加した際の発見をお伝えしていきます。
  
  
  

牡蠣にウィスキー?

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牡蠣にウィスキーを合わせると聞いて、なんじゃそれ?と思う方がいらっしゃるかもしれません。

この組み合わせが有名になったきっかけは、世界的人気作家、村上春樹さんの作品に登場する、
 
”スコットランドのアイラ島で殻付き生牡蠣にウイスキーをたらして味わった”
 
というエピソード。

ウィスキーの風味と生牡蠣の磯の香りが合うんだとか。

現地ではその食べ方がスタンダードというわけではないそうですが、こんなロマンチックなこと、やってみたいですよね!

では、私たちが日本で食べられる殻付き生牡蠣とウイスキーの相性はどんなものだろう?と実験してみました。
   
   
   



まずはウィスキーの基本をおさらい

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出典:http://www.kita-colle.com/culturati/582
  
 

ウイスキーの製造方法

   
ウィスキーは製造方法によって以下の3つに分類されます。
 

・モルトウィスキー
二条大麦のみを使った蒸留酒。1つの蒸留所で造られるモルトウィスキーだけを瓶詰めしたものを「シングルモルトウィスキー」といいます。

・グレーンウィスキー
トウモロコシなどを主原料にした蒸留酒。アメリカのケンタッキー州で造られたものは「バーボン」といいます。

・ブレンデッドウィスキー
1と2をブレンドした蒸留酒。

 
 

ウイスキーの生産地

 
生産地によって特徴があり、
 

・スコッチ
英国・スコットランドのウィスキー「スコッチ」は麦芽を乾燥させる際に使うピート(草炭)の香りが強く、独特なスモーキー香があるのが特徴。

・アイリッシュ
アイルランドのウィスキー「アイリッシュ」はピートの香りを付けないため、「スコッチ」と比べてまろやかな風味。

 
他に、日本やアメリカやカナダがありますが、今回は省きます。

今回のテイスティングで使うウィスキーは、生牡蠣にウィスキーをたらす文化のあるアイラ島があるスコットランドのもの。

つまり、「スコッチ」になります。

さらに、スコッチの中でも特徴がつかみやすい「シングルモルトウィスキー」に絞りました。
  
  
  

シングルモルト3種と生牡蠣4種を合わせてみた

スコッチのシングルモルトの中でも、熟成に使う樽によって味わいが変わってきます。

樽は主にバーボン樽シェリー樽の2種類あり、特徴は以下の通り。
 

樽の特長

・シェリー樽
スペインのシェリーの熟成に使われたオーク樽。

・バーボン樽
アメリカのバーボンウィスキーの熟成に使われたオーク樽。

 
シェリー樽で熟成すると、シェリーの影響を受けてドライフルーツやナッツといった豊かな甘み
 
バーボン樽で熟成すると、バーボンの影響を受けて蜂蜜やバニラといった軽い甘みが風味に出てきます。(厳密にはオークの種類によっても変わってきます。)
 
 

テイスティングする3つのシングルモルトの特長

 
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今回テイスティングした3つのシングルモルトの特徴はこちら。
 

・Glenfiddich 12年(グレンフィディック)
シェリー樽とバーボン樽で熟成。青リンゴや洋梨などフレッシュなフルーツの香りが特徴。(写真左)

・BOWMORE 12年(ボウモワ)
シェリー樽で熟成。グレンフィディックのフルーツ香とは異なり、桃やパイナップルなど、熟れた果実の豊かな甘みが特徴。スモーキーさは繊細で微かに磯の香り。(写真中央)

・BOWMORE SMALL BATCH(ボウモワ スモールバッチ)
バーボン樽で熟成。他の2つと比べてフルーツ香は控えめ。ピート香が3つの中で最も強く、スモーキーで磯の香りが広がる。(写真右)

 
どれも一般的な酒屋さんで入手できるものです。
 
Glenfiddichは、世界で最も親しまれているシングルモルト。

BOWMOREはアイラ島最古の蒸留所で、磯の香りがすることで有名です。

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合わせる4つの牡蠣

 
合わせる牡蠣は以下の4種類。
 

・先端
海水の塩分濃度が高く磯の香りがしっかり。広島の無人島、大黒神島の小ぶりな牡蠣。

・至極
甘さと磯の香りとバランスの取れた味わい。アメリカはワシントン州の小ぶりな牡蠣。

・能登
岩牡蠣並みに濃厚でクリーミーな大ぶりの牡蠣。
 
・五島のバージン岩牡蠣
赤ちゃんの岩牡蠣。赤ちゃんとはいえ岩牡蠣の濃厚な味わいがあり、4種の中では最もクリーミーで豊かな甘さ。

   
   
   

合わせてみた結果

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ウィスキーは、牡蠣にほんのちょっとたらす程度です。醤油をかける感じ。

全ての組み合わせを試した結果、相性の良い牡蠣の傾向が見えてきました。
  

結果

①Glenfiddich 12年には至極。

②BOWMORE 12年にはバージン岩牡蠣。

③BOWMORE SMALL BATCHには先端。

 
が最も合いました。
 
①は、バランスのとれたもの同士
②は最も甘さの豊かなウィスキーとクリーミーな牡蠣
③は磯の香りとスモーキーさが特徴のウィスキーと海水がしっかりした牡蠣。

本場、アイラ島での味を再現するなら③の組み合わせが最も近いのではないでしょうか。
 
海の香りがするもの同士のワイルドでロマンのある味わい。アイラ島の情景が浮かんできそうです。

私としては、甘さの豊かな②の組み合わせが最も好み。
 
この合わせ方は、フォアグラに貴腐ワインを合わせるマリアージュに共通しています。クリーミーなものと甘味のあるお酒が口の中で溶け合う感覚。
 
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先日、この法則で甘口シェリーとクリーミーな岩牡蠣を合わせてみたら、あまりにも素晴らしくて失神しそうになりました。
 
だまされたと思ってぜひ一度試してみてください!
   
   
   

まとめ

最後に、ウィスキーに話を戻しておさらいです。

・生牡蠣にウィスキーを合わせるなら、まずはスコッチのシングルモルトを。
・ウィスキーは熟成に使う樽によっても味わいが変わってくる。
・アイラ島オリジナルの生牡蠣のウィスキーがけを再現するなら磯の香りがするウィスキーと海水の味がしっかりした牡蠣を合わせてみよう。
・クリーミーな牡蠣にはシェリー樽系の豊かな甘みのあるウィスキーを合わせると口の中で溶け合う。

もうすぐ夏の岩牡蠣が終わり、真牡蠣のシーズンの到来です。秋の夜長に牡蠣とウィスキーなんてロマンチックじゃないですか!?
  
  
Special Thanks
早川哲朗氏(ウィスキー研究会主宰のオイスターマイスター)
http://oysters.jp/tetsuro-hayakawa.php

牡蠣Bar(研究会の会場・牡蠣の提供)
http://www.hotpepper.jp/strJ001029127/

オストレア新宿三丁目店(岩牡蠣とシェリーのマリアージュ)
http://www.ostrea.jp/

 

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