TOP / お酒を選ぶ / ウイスキー / ウイスキーは樽で味が変わる!ウイスキーを育てる"樽"の特徴まとめ

ウイスキーは樽によって味わいが大きく変わります。ウイスキーに使用されている樽の種類とその特徴を知ることで、より好きな味わいのウイスキーを見つけることもできます。今回はウイスキー樽の種類と特徴、樽ごとの代表的な銘柄をご紹介します。

樽熟成がポイント!ウイスキーの製造方法

ウイスキー樽

新樽を使って造る

例えばバーボンウイスキーの多くは、バレル(バーレル)と言うアメリカンホワイトオークを材料に造られる、容量サイズ180リットル~200リットルの新樽を使って造られます。

他にも、テネシーウイスキーやカナディアンウイスキーは新樽を使って造られているのです。

ちなみに昔は、バーボンを熟成させ終えた空樽は捨てられていたんだとか...。今の感覚からすると、非常にもったいないですよね。

使用済の空樽を使って造る

20世紀後半より、スコッチのブランドや日本のウイスキーメーカーが、使われたバーボン樽(バーボンウイスキーを貯蔵するための樽)を使ってウイスキーを造り始めました。

これは、一度使われた空樽が再利用された場合、中身に与える影響が変化し、その変化した状態がスコッチウイスキーやジャパニーズウイスキーを造る際に最適だったからなんだそう。

このように、そもそもウイスキーは新樽を使う場合と、使われた空樽を使って造る場合があり、それぞれ味の特徴が変わってくるのです。

ウイスキーの樽の種類と代表的な銘柄

ウイスキー

基本的にウイスキーの樽は、オーク材(楢や樫)で造られたオーク樽と呼ばれるものに分類されます。

オーク樽で熟成されたウイスキーは、淡い黄金色とバニラやナッツのような香りが特徴的です。

まずはオーク樽の中でも、使われるオーク材の違いによって細分化したいくつかの樽と、それぞれの代表的な銘柄を紹介します。

アメリカンオーク樽

北米で造られるオーク樽。アメリカンホワイトオーク樽とも呼ばれており、ココナッツやバニラを思わせる、甘く力強い香りをウイスキーに与えると言われています。

ジョニーウォーカー トリプルグレーン アメリカンオーク 10年

 

3種のグレーンを、アメリカンオークの樽で10年熟成させたウイスキー。この樽は、元々アメリカンウイスキーを熟成させていたものなので、アメリカンの風味をより一層感じられる商品となっています。

上品な甘みとバニラ香。これまでのジョニーウォーカーとは違った、軽快な味わいが特徴です。

ヨーロピアンオーク樽

ヨーロッパのほぼ全域に生育しているオーク。この樽でウイスキーを熟成させた場合、ドライフルーツやシナモンを思わせる風味を与えると言われています。

グレンドロナック 12年

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出典:グレンドロナック 12年 [ ウイスキー イギリス 700ml ] [ギフトBox入り]

ヨーロピアンオーク樽(シェリー樽)のみを使用したウイスキー。甘く果実味のある風味、ドライでナッツのような香り、そしてそれらが調和した芳醇なフレーバーが特徴です。

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ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブ

またアメリカンオーク樽とヨーロピアンオーク樽、どちらも使用したウイスキーもあります。その中の一つが「ザ・グレンリベット マスターディスティラーズリザーブ」です。

バニラのような甘みと、ナッティーな香りが特徴。オーク樽らしい味わいを楽しめます。

ミズナラ(ジャパニーズ・オーク)樽

サントリーが、世界で初めて用いたミズナラ樽。純日本産のミズナラ樽で熟成されたウイスキーは、青いドングリのようなイメージ(私見)です。舌の上では堅実だけれど、飲み下した後に残るのはキャラメルのような香り。

樽の中の成分が滲み出るまで時間がかかるので、特徴を最大限引き出すにはどうしても長期熟成になるのだそうです。

シーバスリーガル ミズナラ12年

ミズナラと言えばこれ!と断言しても良いようなウイスキー。シーバスリーガルのマスターブレンダー"コリン・スコット"氏が、日本のシーバスファンの為に作った傑作です。

モルト・グレーンをブレンドし、ミズナラ樽で12年熟成。フルーティな香りの中に、僅かに感じるナッツの香り。甘くてなめらかな味わいは、優しく広がり長い余韻を残していきます。

イチローズモルト ミズナラウッドリザーブ MWR リーフラベル

ラベルに描かれた葉は、ミズナラの葉をイメージ。デザイン・名前からしてミズナラへのこだわりを感じるウイスキーです。

スイートさ、フルーティさを筆頭に様々な味わいが絡み合う奥深い味わいが特徴です。

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さて次は、使われたオーク材ではなく、以前入っていた樽の中身によって細分化したいくつかの樽と、それぞれの代表的な銘柄を紹介します。

バーボン樽

ウイスキーを熟成させる樽として一番メジャーなバーボン樽。樽材が不足していた時に、アメリカから輸入したバーボンの空樽を使ってみたら意外と良かった、ということで定着したようです。

バーボンウイスキー ノブ クリーク シングルバレル

厳選した一樽から生まれた、こだわりのクラフトバーボン。過去には、国際的なコンペティションISCで、最高賞を受賞した経歴もある、実力のある逸品です。

バニラやキャラメルのような香りの中に、僅かに香るスモーキー香。力強くかつ、上品な甘みをもつ味わいは、徐々に心地良い余韻へと変化していきます。

バーボンウイスキー メーカーズマーク46

キャラメルやバニラを思わせる甘い香り、樽由来の熟成香が絡み合ったバランスはまさに絶妙。しっかりとした厚みがありながら、マイルドで優しい味わいが特徴です。

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シェリー樽

バーボン樽が主流になる前は、スコッチモルト=シェリー樽熟成でした。シェリー樽で熟成されたウイスキーは、ルビーのような深い紅色と甘美な味わいが特徴です。

シェリー樽にこだわっている蒸留所の代表例には、スペイサイド地方のマッカラン、オークニー諸島のハイランド・パークなどがあります。

シングルモルト ウイスキー ザ マッカラン 12年

シングルモルトのロールスロイスとまで言われる、シングルモルトの最高峰。厳選したシェリー樽で12年熟成された原酒のみを使用した、最もスタンダードなザ・マッカランです。

贅沢に広がる華やかな香り、ドライフルーツのような甘みが特徴です。

ハイランドパーク 12年 ヴァイキング・オナー

スモーキーかつ甘い香り、口当たりはドライながら、風味は長く残り、心地良い余韻を感じさせます。ハイランドパークは、創業1798年の歴史ある蒸留所。同商品は、守り続けられる伝統的な製法と、シェリー樽で12年熟成したことにより生み出されたウイスキーです。

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ポート樽(カスク)

シェリーと並び称される、世界3大酒精強化ワインの一つポートワイン

ポルトガル北部のポルト港から出荷されるワインであり、主に「ルビーポートワイン」「トゥニーポートワイン」「ホワイトポートワイン」の3種があります。

ウイスキーでは「トゥニーポートワイン」がよく使われており、カシスを思わせる香りと甘み、粘性を帯びた強い熟成感をウイスキーに与えると言われています。

カヴァラン コンサートマスター ポート・カスク・フィニッシュ ミニチュア 40度

カヴァラン (カバラン) コンサートマスター ポート・カスク・フィニッシュ ミニチュア 40度 50ml ■台湾産

出典:カヴァラン (カバラン) コンサートマスター ポート・カスク・フィニッシュ ミニチュア 40度 50ml ■台湾産

高級ヴィンテージポートの樽で熟成されたウイスキー。華やかな香り、上品な味わいが特徴です。

"サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション"で連続で金賞を受賞した、話題の台湾産ウイスキーになります。

マデイラワイン樽(カスク)

シェリーと並び称される、世界3大酒精強化ワインの一つマデイラワイン

ポルトガルのマデイラ島で造られるワインであり、辛口のセコ、中辛口のメイオ・セコ、中甘口のメイオ・ドセ、甘口のドセと甘さが4種類あります。

シトラスを思わせる香り、シロップのようなニュアンス、メントールやユーカリのような後味をウイスキーに与えると言われています。

インチマリン マデイラ ウッド フィニッシュ

インチマリン マデイラ ウッド フィニッシュ [ ウイスキー イギリス 700ml ]

出典:インチマリン マデイラ ウッド フィニッシュ [ ウイスキー イギリス 700ml ]

アメリカンオーク樽原酒をマデイラワイン樽で後熟したウイスキー。マデイラ由来のアーモンドやナツメグ、マジパンの香りを楽しめます。

また、フレッシュな柑橘やオレンジの香り、桃やイチジクなどを思わせる味わい、ぶどうのタンニンを感じさせる余韻も印象的です。

マルサラワイン樽(カスク)

イタリアのシチリア島西部の都市"マルサラ"を取り巻く地域で生産されるワインをマルサラワインと呼び、マルサラワイン樽はグレンドロナック、キルケランなどのラインナップで使われたことで知られています。

ちなみに、世界3大酒精強化ワインにマルサラワインを加えたカテゴリーは、世界4大酒精強化ワインと呼ばれています。

アラン マルサラ カスク フィニッシュ

アラン マルサラ カスク フィニッシュ 正規品 50度 700ml [並行輸入品]

出典:アラン マルサラ カスク フィニッシュ 正規品 50度 700ml [並行輸入品]

30年以上ウイスキーの製造に携わるマスターディスティラー"ジェームス・マクタガート"氏が慎重にモニターし、最適な期間マルサラ樽で追加熟成したシングルモルトウイスキー。

マルサラ由来のフルーツとナッツのニュアンスを楽しめる特別なアランになります。

ワイン樽

上記4種の酒精強化ワイン以外のワインで使った樽は、シンプルにワイン樽と呼ばれています。赤ワインの樽がフィニッシュに使われることが多いです。

この場合しっとりとした赤色を付けたり、ウイスキーの味に重厚感を与えると言われています。

ジョニーウォーカー ワインカスクブレンド

【販売量世界No.1 スコッチウイスキー】ジョニーウォーカー ワインカスクブレンド [ ウイスキー イギリス 700ml ] [ギフトBox入り]

出典:【販売量世界No.1 スコッチウイスキー】ジョニーウォーカー ワインカスクブレンド [ ウイスキー イギリス 700ml ] [ギフトBox入り]

ワイン樽で熟成された原酒を大胆にブレンドしたウイスキー。フレッシュなベリーのようなフルーティ感、上品なトフィの様な甘みが特徴です。

ワインのように食事やデザートとのマリアージュを楽しめる、新しいタイプのスコッチになります。

ビール樽

あまり多くはないですが、ビールで使った樽でウイスキーを熟成させることもあります。近年のクラフトビール人気を考えると、今後さらに注目のジャンルです。

イチローズモルト 秩父 IPA カスク・フィニッシュ

イチローズモルト 秩父 IPA カスク・フィニッシュ 2017 57.5度 700ml

出典:イチローズモルト 秩父 IPA カスク・フィニッシュ 2017 57.5度 700ml

一度ビールが寝かされた樽で、再度秩父の原酒を熟成させたウイスキー。シトラスのような香り、芳醇な甘さ、ビターな奥行きが特徴です。

秩父らしさを探求する中で生まれた新たなフレーバーになります。

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ラム樽

ウイスキーと共に世界4大スピリッツに数えられるラム。同じスピリッツの仲間であるためか、ラム樽でも美味しいウイスキーが造られています。

ラム独特の焦げたカラメルを思わせる風味を、ウイスキーに与えると言われています。

トマーティン 2009 カリビアン・ラム・バレル・フィニッシュ

トマーティン 2009 カリビアン・ラム・バレル・フィニッシュ [ ウイスキー イギリス 700ml ]

出典:トマーティン 2009 カリビアン・ラム・バレル・フィニッシュ [ ウイスキー イギリス 700ml ]

カリビアンラムの樽で熟成させたウイスキー。ラム樽由来のなめらかさ、華やかさを楽しめる一品です。

ブランデー樽

ウイスキーと混同されがちなブランデーですが、ウイスキーとは原料が違います。ブランデーは果実酒から造ったお酒です。

このためブランデー樽を使うと、ブランデーの原料となった果実酒のニュアンスがウイスキーに表れると言われています。

シングルモルト 余市アップルブランデー ウッドフィニッシュ

【数量限定】シングルモルト 余市アップルブランデー ウッドフィニッシュ [ ウイスキー 日本 700ml ]

出典:【数量限定】シングルモルト 余市アップルブランデー ウッドフィニッシュ [ ウイスキー 日本 700ml ]

シングルモルト余市を、アップルブランデーの樽でさらに熟成させたウイスキー。余市ならではの力強く厚みのある味わいと、ブランデー樽由来の、りんごを使った焼き菓子を思わせる甘い香味が調和した一品です。

ウイスキーに使われる樽の木材の種類

アメリカンホワイトオーク

北米産のホワイトオークのことです。ウイスキー産業で使用されている樽の90%を占め、特にバーボン樽の場合はほぼ全てがこの木材になります。

コモンオーク(スパニッシュオーク)

ヨーロッパ産のオークで、同地域の2大オークの一つです。コモンオークの中でも、スペイン産のスパニッシュオークがよく知られています。

セシルオーク(フレンチオーク)

ヨーロッパ産のオークで、同地域の2大オークの一つです。フランスのアリエ地区・トロンセ地区・ヌヴェール地区などで多く使われています。

ミズナラ(ジャパニーズオーク)

日本に多く自生するオークです。日本固有のオークであり、希少かつ高価なことで知られています。

ウイスキー樽の主なサイズ

ウイスキー樽

容量サイズ180リットル~200リットルの「バレル(バーレル)」、容量サイズ220リットル~250リットルの「ホグスヘッド」、容量サイズ480リットル~520リットルの「パンチョン」、容量サイズ500リットルの「バット」が主なサイズとして知られています。

一般的には樽の容量が小さいほど熟成が早く、完成までのスピード感で優れ、樽の容量が大きいほど熟成が遅く、長期熟成ウイスキーとの相性が良いとされています。

まとめ

蒸留されたスピリッツ(ニューポットと呼ばれています)を樽に入れて熟成する習慣は、1725年から約100年続いた密造酒時代に端を発すると言われています。

ウイスキーへの課税が強化された、当時のスコットランドでは、肉屋も鍛冶屋も開拓者たちも、こぞってせっせとお酒を密造していました。

そんな中、精製したニューポットをシェリーの空樽に入れて隠しておいたら、無色透明のお酒が琥珀色に輝くようになっていたのだそう!しかも、芳しい香りまで携えて。

これぞまさに、「樽マジック」。

この樽マジックが、現在では質の高いウイスキーを造るためのキーとなり、それぞれの蒸留所では工夫を凝らした樽選びが行われています。

良質なウイスキーを育てるために、蒸留所のブレンダーは樽を求めて世界各地を歩くのだとか。味への追求とロマンを感じますね!

ウイスキーを選ぶ時、どんな樽を使っているのかに着目すると、より好きな味わいのウイスキーを見つける近道かもしれません。