出典:flickr.com
輸入ビールにはビールと記載されているものと発泡酒と記載されているものがあります。外国ではビールなのに、日本では発泡酒となる理由は分類の違いにあります。この記事では、輸入ビールが日本で発泡酒と表記される理由ををご説明します。
そもそも普段見かけるビールと発泡酒の違いって何?
麦芽の比率でビールと呼べるかが決まっていた?
ビールと発泡酒の定義は酒税法で決まっています。ビールは、「麦芽、ホップ及び水を原料として発酵させたもの」または「麦芽、ホップ、水及び麦、米等の特定の副原料を使用して発酵させたもので、麦芽の使用割合が約67%以上のもの」です。たとえば、麦芽100%と表記されたものはビールになります。
これに対して、発泡酒は、「麦芽の使用割合が約67%未満のもの」、「ビールの製造に認められない原料を使用したもの」、「麦芽を使用せず麦を原料の一部としたもの」です。そして、麦芽、ホップ、水、麦以外にのビール原料とは、「米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしよ、でんぷん、糖類、カラメル」です。なお、第三のビールは発泡酒とは違う分類で、発泡酒より低い税率です。
海外のビールが日本で「発泡酒」として表記される理由
認められていない副原料がある?
ドイツやベルギーのビールには「麦芽、ホップ、水、麦、米、とうもろこし、こうりやん、ばれいしよ、でんぷん、糖類、カラメル」以外のビールを使用したものがあり、そのようなお酒は発泡酒に分類されます。
たとえば、ベルギーの「ヒューガルデン・ホワイト」や「ヴェデット エクストラ ホワイト」には、コリアンダーやオレンジピールが入っているので、発泡酒です。また、「ベル・ビュー クリーク」は、さくらんぼが入っているので発泡酒です。それに対して、ドイツの「レーベンブロイ」や「ベックス」はビールと記載されています。
さて、産経ニュース2014年12月13日の記事によると、現在350ml缶の小売価格に含まれる酒税額は、ビール77円、発泡酒47円、第3のビール28円ですが、これを約55円にそろえる案が検討されています。この改正が施行される頃、発泡酒を買っておいて、ビールは施行後に買おうとする方がいそうですね。
オレンジピールを使ったビールはそうではないものよりライトに感じられ、フルーツビールは甘くて飲みやすい味です。輸入ビールは使用されている原材料の種類が幅広く、色々な風味を楽しめるので、飲み比べてみてください。