TOP / お酒を選ぶ / テキーラ / アガベって何?テキーラの原料だけじゃないアガベの魅力とは

アガベという植物をご存知でしょうか?

お酒が好きな方や健康意識・美意識が高い方はご存知だと思いますが、アガベはテキーラの原料。その他にも、アガベシロップに使われている原料として世界中で注目されています。その他、意外なことにサボテンのような観葉植物としても人気を博しているのです。

テキーラを語る上で避けては通れないのが、アガベの話。今回は、アガベがどのような植物なのか、またどのような効能があるのかなど詳しく解説していきます。


アガベとは

アガベ

アガベとは、メキシコを中心にアメリカ大陸全体で分布している多肉植物です。
種類は世界中に約300以上あると言われており、また直径約5cmのものから大きいもので5m以上のサイズまで幅広く存在しています。

一般的にアガベはテキーラの原料としてしられており、日本ではリュウゼツラン(竜舌蘭)という和名が存在しています。漢字表記では蘭と書きますが、蘭の仲間ではないので注意が必要です。

形状は先のとがった葉がロゼット状に広がっており、アロエのような出で立ちになっています。

アガベの名前の由来

アガベの名前の由来は、ギリシャ語で高貴という意味の「agaue」にちなんでいます。また、百年に1度花が咲くという言い伝えから、万年蘭とも呼ばれることもあるのだそう。

アガベの使用方法

アガベ

アガベと聞いてピンと来る方もいると思いますが、一般的にはテキーラの原料として有名です。
また、観葉植物として人気がある他、アガベを使ったシロップは美意識や健康意識の高い人たちからも注目されています。

テキーラの原料

様々な種類があるアガベの中でも、テキーラの原料として許可されているのは「アガベ・アスール・テキラーナ」(英名:ブルーアガベ)と呼ばれる品種のみになっています。

その他もテキーラ規制委員会によって、原料には厳しい基準が設けられています。

原料については、品質優良なブルーアガベを産出するハリスコ州やグアナファト州、タマウリパス州、ナヤリ州、ミチョアカン州で栽培されたアガベのみがテキーラの原料として使用することを許可されています。

テキーラに使われるアガベの場所

テキーラ作りには、アガベの茎の部分のみを使います。

アガベの葉先を切り落とした茎の部分が丸く大きことから球根などと記され、その形状がパイナップルに似ていることから、テキーラ業界はスペイン語でパイナップルを表す「ピニャ」と呼ばれているのだそう。

栽培年数

一般的にテキーラの原料として使用できるまでに、6年以上の歳月と手間がかかっています。

日本酒の米やワインのぶどうなど、多くのお酒は毎年収穫できる原料を使用している一方、テキーラはそれだけ時間と手間がかかる貴重なお酒なのです。

アガベの大きさがテキーラの値段を決める

アガベの大きによって、テキーラの銘柄や値段が決まる傾向にあります。高価なアガベになるには栽培に約10年以上かかるのだとか

使用するアガベが大きければ大きいほど価値は高くなり、紹介の通り大きくなるには手間と時間が大変かかるために値段は高くなります。

大きなアガベからできるテキーラは甘味が強くなる傾向があり、ドンフリオやパトロンといった銘柄で使われています。

テキーラの値段が上がる理由

近年、テキーラの値段が上昇しています。
2019年にはテキーラの大手メーカーであるホセ・クエルボや、ドンフリオ、エラドゥーラはテキーラ価格の23%上昇を表明しました。
あるデータでは2014~2019年にかけてアガベの価格は8倍以上上昇しています。

その背景にあるのは、テキーラへの強い需要による原料のアガベ不足。
国際的にテキーラに加えてアガベを用いたアガベシロップ、甘味料としての需要が価格高騰に拍車をかけています。

その結果、十分に育っていないアガベを収穫せざるを得ない農家も続出する悪循環に陥っている現状もあるのだとか。
若いアガベを収穫してしまうことは、単に収穫量が落ちてしまうことに加えてテキーラの品質も招いてしまいます。

アガベ不足は、なんと2121年まで続くとも言われているのです。

テキーラの製法

テキーラの製法にも厳しい基準が定められています。まず、絶対条件として

・テキーラ村とその周辺(グアナファト州とタマウリパス州)で蒸溜されたモノであること
・蒸溜を最低2回以上すること

などの決まりががあります。

一般的な製法手順は以下の通りです

1.まずアガベをオノで割る
2.大きな蒸気釜(圧力釜)に入れて蒸すことにより、でんぷんを分解させて発酵性の糖分を引き出す
3.それをローラーにかけて砕き、搾り、温水をかけ、残った糖分を十分搾り出す
4.その液を発酵させ、単式蒸溜器で2回蒸溜する

蒸留機の形や使用するアガベ、様々な作り方や工夫によって多種多様なテキーラが生産されています。

プレミアムテキーラについて

テキーラ

プレミアムテキーラとは、アガベだけで作られるアガベ100%テキーラのことです。プレミアムテキーラは近年のテキーラのイメージ向上に貢献し、人気を集めています。

日本でも徐々にプレミアムテキーラが主流になり始めています。

実はテキーラは原料比率51%、つまりアガベを半分以上を使用すれば法律的にテキーラとして認められており、トウモロコシやサトウキビ由来の蜂蜜などと合わせて作られていることもあるのです。

そのため、プレミアムテキーラと一般的なテキーラの味わいには大きな差異があるといっても過言ではないでしょう。

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アガベシロップ

アガベシロップ

テキーラ以外のアガベの使用法として、世界中で注目されているアガベシロップ。

アガベシロップは甘味料として用いられ、その甘さはハチミツや砂糖よりも約1.5倍も甘いと言われている甘味です。

山火事で焼けたアガベから甘い匂いがし、そこから糖分があることから偶然発見されたと言われています。

健康・美容効果

アガベシロップには以下のような特徴があります

・糖の吸収率が低くカロリーが低い
・アガベシロップに含まれる「イヌリン」が腸内の善玉菌を増やして環境を整えてくれるので、便秘の解消や予防、腸内環境の改善が期待できる
・血糖値の上昇を抑える効果があるので糖尿病を予防できる

上記のように、健康や美容効果が期待できることからも注目を集めているのです。

アガベシロップの使い方

ハチミツよりもクセがなく、粘り気もないのでアガベシロップは様々な料理や菓子、ドリンクに混ぜて使います。

・暖かい飲み物はもちろん、冷たい飲み物にもすぐ溶ける性質を活かしてドリンクに混ぜる
・甘味料としてハチミツやメープルシロップの代わりに用いる
・アイスクリームやプリン、ゼリーなどと言ったデザートや日本人の好みの和食にも合う、上品な甘味を活かして料理の材料にする

その他、テキーラカクテルに用いることもあります。

注意点

アガベシロップは肝臓に負担がかかると言われる「フルクトース」という果糖が含まれていることから、身体によくないという意見があるのも事実。

フルクトースは血中でほとんど分解されないことから、血糖値を上げずそのまま肝臓で分解をしなければいけないため肝臓に負担がかかります。一般的な砂糖にも50%含まれている成分ですが、種類によってはフルクトースの含有率が砂糖と同じものから90%になるものもあります。

そのためアガベシロップを購入する際はフルクトースの含有率を確認し、なるべく低いものを購入するといいでしょう。

また、摂取する際は取りすぎないように注意が必要です。

観葉植物

アガベ

アガベは観葉植物でもあり、サボテンと同じ多肉植物に分類されます。

アガベを育てても自宅でテキーラは作れませんんが、希少な品種が多く個性的なフォルムがから、インテリアプランツとして人気を博しています。また、サボテンと同じくトゲが邪気を祓うと言われており風水効果も期待されています。

アガベの種類

観葉植物として人気のアガベは大きく2種類あります。

・原種
スタンダードなアガベで、ダイナミックで迫力のある葉が人気です。アテーナやアオノリュウゼツラン、マクローサといった種類が人気となっています。通販で簡単に購入することが可能です。

・希少種
ベネズエラやジェミニポット、ストリクタ、吉祥天が特に人気の品種になっています。希少種のため比較的値段は高く、通販で購入しやすいものもあれば、なかなか手に入れることができないものもあります。

育て方

アガベは種類やサイズも豊富なので、育て方はそれぞれ異なるので注意が必要です。

まず、植え付けは真夏と真冬を避けた暖かい日に、水はけのよい土壌に植え付けるのがベスト。鉢植えなら、多肉植物用の培養土が良いでしょう。
根詰まり防止のために1〜3年に一度は植え替えを行ってほうがいいでしょう。

また、日光が好きな植物なので、置き場所は日当たりが良い場所を選びましょう。室内であれば、南向きの窓や遮るものの少ない場所がおすすめ。日に当てることによって、肉厚な葉でしっかりとした株になります。

水やりは、土の表面が乾いたら十分に与えること。夏は成長期なのでこまめに水をやり、冬は根が寝ているので月1程度で控えめにしましょう。

どのような品種でも低温が苦手なので、冬場は室温が0℃以下にならないように注意してくださいね。

アガベとアロエの違い

肉厚でトゲのある葉という見た目から、アロエの近類種と思いますが、アガベとアロエは全く違う植物です。紹介の通りアガベはリュウゼツラン科リュウゼツラン属ですが、アロエはユリ科アロエ属の植物と全く異なります。

また、似ている見た目ですがアロエは幹を持つのに対して、アガベは茎が短くほとんどないことも大きな違いと言えるでしょう。

アガベの花と花言葉

アガベは一回結実性といった、生涯で一度だけ開花する性質があり、花が開いた後は石化したように枯れます。

ゆっくりと成長し、開花するまでに数十年かかり、日本の気候ではなんと開花まで30~50年かかると言われています。

こういった特徴から「繊細」「気高い貴婦人」といった花言葉があります。一度だけ花を咲かせ、その後は枯れてしまう儚さも観葉植物として人気の1つなのかもしれません。

世界的なプレミアムテキーラブーム

テキーラ

現在、世界ではプレミアムテキーラがブームになっており、2000年代から比べると市場はなんと約2倍に拡大しています。

元々プレミアムテキーラはアメリカやメキシコの富裕層が愛飲していましたが、近年はハリウッド俳優やアーティスト、西洋海岸のセレブへと人気が広まり、今ではシャンパンの代わりの乾杯酒になっているそうです。

また、この世界的なプレミアムテキーラブームが紹介したアガベ不足を加速させています。

プレミアムテキーラに魅了された著名人

ジョージ・クルーニーやカルロス・サンタナ、ジャスティン・ティンバーレイクなどのハリウッドセレブたちがプレミアムテキーラに魅了された結果なんと、自らがプロデュースを手掛けることも珍しくはありません。

彼らの影響力が一般の消費者にも伝わったことも、ブームの1つの要因となっているのでしょう。

まとめ

アガベとテキーラ

アガベはテキーラやシロップ、観葉植物として世界中で人気を博しています。

ショットで一気飲みではなく、アガベの一生を想像しながら、その成長と同じようにテキーラをゆっくり味わってみてください。
今まで味わったことのないテキーラに隠された深みや旨味が感じられて、テキーラの価値観が一変しますよ。