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カクテル「ニコラシカ」とは?美味しい飲み方やレシピ・合うお酒の選び方

一般的に「カクテル」というと、さまざまなお酒をベースに、フルーツやドリンク、あるいは違うお酒同士を混ぜ合わせて「新しいお酒」を作るというイメージですね。 そんな中、一風変わっているのがニコラシカ です。 初めてオーダー …

お酒を選ぶ カクテル・サワー
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一般的に「カクテル」というと、さまざまなお酒をベースに、フルーツやドリンク、あるいは違うお酒同士を混ぜ合わせて「新しいお酒」を作るというイメージですね。

そんな中、一風変わっているのがニコラシカ です。

初めてオーダーし、目の前に出されたニコラシカを見た人は、「まずどこからどうやって飲んだらいいのか?」と迷いに迷ってしまうでしょう。それほど個性的なビジュアルをしているからです。

そこで初めてニコラシカを飲む方に、どんなカクテルなのか、またどう飲むのが正解なのか、あらかじめ知っておくための知識についてまとめました。

口の中で作るカクテル「ニコラシカ」とは

ニコラシカ

ニコラシカはカクテルの中でもとても珍しいタイプです。グラスの中ではまだカクテルとしては未完成。独特の飲み方で口に入ることで、初めてカクテルとして成立するのです。

ニコラシカってどんなお酒?

初めてニコラシカをオーダーした人は、その見た目に大抵の場合驚きを隠せないのではないでしょうか。

まず、ブランデーが注がれたカクテルグラスの上に、レモンのスライスがちょうどグラスに蓋をするようなイメージでかぶせられています。

さらに、そのレモンの上に、山型に固められた砂糖がドンと乗っているのです。

このようなカクテルが突然目の前に現れれば、確かに驚き、ワクワクしてしまいますね。

一方でどうやって飲んだらいいか悩んでしまう人がほとんどでしょう。

「いろいろなカクテルを体験したい!」と思っている方には、是非一度体験して欲しいカクテルの一つです。

ニコラシカの味の特徴

ニコラシカは、口の中で酸っぱいレモンと甘い砂糖とブランデーが混ざり合い、すっきりとした味わいが特徴です。ブランデーサワーのようだと表現されることもあります。

また、レモンが皮つきかそうでないかによって味は変わります。

皮つきのレモンのほうが渋みがあり、この渋みがニコラシカの絶妙な味わいを生み出します。また、皮の噛み具合によって味の変化を楽しめることも特徴です。酸味が好きな方はよく噛んで召し上がってみるのも良いでしょう。

逆に、そういった渋みがあまり好きではない…という方には皮つきでないレモンがオススメです。皮つきレモンのニコラシカよりも、レモンの酸っぱさやよりすっきりとした味わいのニコラシカを味わうことができます。

ニコラシカのアルコール度数

ニコラシカは、ブランデーとレモン、砂糖を口の中で混ぜて飲むカクテルですので、アルコール度数はブランデーの度数同じ40度前後です。

ウォッカやテキーラのストレートと同じくらいの度数で、カクテルの中でもかなり強めです。景気づけの一杯として何か飲みたい時や、体を一気に暖めたい時などにオススメです。

お酒の弱い方やそこまで度数の高いお酒はちょっと…という方には、本格的なレモネードにブランデーを好みの量だけ足して飲む「逆ニコラシカ」というカクテルもあります。

自分で度数を調整できるので、度数が高いのは嫌だけどニコラシカの味を味わってみたい!という方は、ぜひ一度試してみてはいかがでしょうか。

ニコラシカの名前の由来

ニコラシカ、というとロシア系のネーミングではないかと思う人も多いのではないでしょうか。

確かにニコラシカ、というとロシア男性のポピュラーな名前なので、あるロシア男性に思いを込めて作られたカクテルかも知れません。

またこのカクテルから連想する人物として多くの人が挙げる名前が、帝政ロシアの皇帝である有名なニコライ2世です。

彼はいつもレモンとウォッカを一気に飲んでいたということから、ウォッカがブランデーに変わって伝わり、ニコラシカというネーミングになったのではないかとも言われているのです。

ニコラシカの歴史について

ネーミングではニコライ2世からとられたという一説が一番有力のようですが、ニコラシカの歴史として最も有力な説は、ドイツ・ハンブルクから発祥したというものです。

またヨーロッパやロシアで多発的に発生したのではないかとも考えられています。

そこには昔の人や物の流れがかかわっているのかもしれません。昔に思いを馳せながらニコラシカを飲むと、また違った楽しさがあるのではないでしょうか。

専門家の一言メモ

ニコラシカのカクテル言葉は「決心」「覚悟を決める」というもの。確かにニコラシカを飲もう、という時にはそんな気持ちがないとなかなか飲めないカクテルかも知れません。納得のカクテル言葉ではないでしょうか。

ニコラシカはこう飲む!美味しい飲み方解説

ニコラシカを飲む女

初めて見た人には必ず「これってどうやって飲むの?」と思わせるニコラシカ。では実際の飲み方のご紹介です。

ニコラシカの美味しい飲み方とは

まず砂糖の乗ったレモンの輪切りを頬張り、口の中を甘酸っぱさでいっぱいにします。

このとき、レモンに皮がついている場合でも、皮は出さずに一緒に噛んで飲み込みます。レモンは3~4回ほど噛むと、ちょうど良い甘酸っぱさが広がるでしょう。ただし、噛みすぎるとえぐみが出てしまうので注意です。

ちょうど良い甘酸っぱさが口の中に広がったら、そこにグラスの中のブランデーを一気に流し込み、口の中でレモン+砂糖+ブランデーのカクテルを作って飲む、というのが基本的な、そして美味しい飲み方となります。

自分で作る場合は、レモンを皮つきor皮なしにするか、砂糖は上白糖orグラニュー糖にするか、など、自分の好みによって変えてみるのもおすすめです。甘すぎると感じる方は、少し砂糖を減らしてみましょう。

またアルコール度数が高めなので、飲みにくいと感じる場合は、ブランデーの量を減らすなどの調整も可能です。アルコールに弱い人は注意して飲まないと、むせてしまうこともあります。

飲み方の流れ

ニコラシカは前述のとおり他のカクテルと違い、口の中でレモンや砂糖と混ぜて完成するものなので、レモンや砂糖が口に残っているうちにグイグイっと飲み干すのが最重要ポイントです。

口の中で3つの味が混ざり合う瞬間がなんと言っても醍醐味。レモンと砂糖をどの程度噛んだ時にブランデーを口に入れるか、そのタイミングによっても口の中の3つのバランスは変わるので、違いも楽しんでみるのもおすすめです。

美味しく飲むポイント

ニコラシカはショートタイプのカクテルなのでゆっくり味わいながら飲むものではありません。冷えている状態を楽しむものなので、できるだけサッと飲むようにしましょう。

またグラスを持つ手の体温でカクテルを温めてしまわないように、なるべくリキュールグラスの足を持ちます。

もし支えにくければ、軽く指でグラスの底の部分を、できるだけ少ない面積で支えるようにします。また足のないグラスの場合は指先を使ってつまむように持ち、できるだけ体温を移さないようにしましょう。

グラスにも拘ろう!リキュールグラスで

ニコラシカを美味しく飲むために、グラス選びはとても大切です。

ニコラシカの場合はショートタイプのカクテルなので、丈の短いグラスが良いでしょう。そしてレモンの輪切りを乗せるため、レモンの輪切りの直径より少し小さめのグラスである必要があります。

このような条件を考えると、リキュールグラスがベストです。他にもテイスティンググラスやショットグラスでもOKです。

専門家の一言メモ

初めて見たときにはまるでグラスが帽子を被っているような、またUFOが乗っているようにも見えるカクテルです。さっとスマートに飲める人はなかなかいないのではないでしょうか。慣れた手つきで飲めれば、格好良く映ること間違いなしです。

美味しいニコラシカの作り方・レシピ

ニコラシカ

ニコラシカの材料について

ニコラシカは材料は、ブランデー、レモン、砂糖の3つです。

基本的にニコラシカは一気に飲むカクテルなので、ブランデーの適量は30mlとされていますが、自分の適量まで減らしてもOKです。

レモンは皮をつけるか省くか、好みが分かれるところです。皮つきは歯ごたえが良く、少し苦みがあります。歯ごたえや苦みは欲しくないという場合は黄色い部分の皮を省きましょう。皮つきのレモンを使用するときにはワックスが使われていない国産レモンがおすすめです。

砂糖は上白糖やグラニュー糖などが使われます。砂糖の種類に特に決まりはありませんが、上白糖のほうが甘みは強く、また、グラニュー糖のほうが歯ごたえがあるのが特徴です。味や口当たり、歯ごたえの好みにより、お好きな砂糖を選択しましょう。

ニコラシカの作り方

ニコラシカはブランデー30ml、レモン輪切り1枚、砂糖小さじ1杯程度を足し合わせて作ります。

①まずは、リキュールグラスにブランデーを入れ、その上にレモンに輪切りを乗せます。レモンの輪切りはあまり薄切りにするとお砂糖を乗せにくいので、少し厚めにスライスしましょう。お好みによって皮や種を取り除いても良いでしょう。

②レモンの上に山型にした砂糖を乗せて完了です。このとき、グラニュー糖などの形を整えにくい砂糖の場合、平べったくレモンの上に広げて乗せるという乗せ方もあります。

ニコラシカに使う砂糖について

ニコラシカで用いられる砂糖の種類には特に決まりはありませんが、グラニュー糖や上白糖が使われることが多いです。

上白糖はグラニュー糖よりも甘みが強く、口の中でフワッと溶けて甘さが広がりやすいという特徴があります。また、成形もしやすいのが特徴で、日本のBarでは、レモンの上に綺麗な山の形に盛られた上白糖が乗ったニコラシカをよく見かけます。

一方、グラニュー糖は山型にはなりにくく、華やかさには欠けるかもしれません。しかし、グラニュー糖は上白糖より粒が大きくざくざくとした歯ごたえが感じられるため、それが好き!という方もいらっしゃいます。

さらに、グラニュー糖と上白糖を混ぜ合わせて成形し、歯ごたえや甘さを調節することもあるようです。

好みによって、お好きな砂糖を選んで味わってみてください。

ちなみに日本のバーでは上白糖を使用することが多く、逆に欧米ではグラニュー糖の場合がほとんどです。欧米では、日本のような山の形をした砂糖よりも、レモンの上に平べったく乗せた砂糖のほうがが主流なようです。

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ニコラシカのブランデーはどのように選ぶ?

ニコラシカに使用するブランデー

ニコラシカのブランデーを選ぶ際には、こだわりのある場合は別として、お手頃なブランデーを選んでOKです。

ニコラシカは、基本的に一気に飲み干すことが前提で作られており、ブランデーそのものの香りや味を楽しむ余裕はあまりありません。

ブランデーとはどんなお酒?

ブランデーは、果実酒を蒸留したお酒で、芳醇な風味が特徴のお酒です。主に白ブドウが原料で、通常はワインを蒸留しさらに熟成させたものがブランデーと呼ばれますが、リンゴやブドウ、洋梨など、様々な果物が使われるブランデーもあります。アルコール度数は、40~50度のものが多いです。

また、同じような度数のウィスキーと比べると、フルーツを原料とするブランデーはまろやかな口当たりと甘い香りが特徴的です。そのため、アルコール度数のわりに比較的飲みやすいお酒でもあります。

銘柄によって個性があるので、様々なブランデーを試してお気に入りの1本を見つけて見ても良いかもしれません。

ニコラシカに合うブランデーとは

ニコラシカのグラスの中に入れるお酒はブランデーのストレートと決まっていますが、具体的にはどんなブランデーが良いのでしょうか。

おすすめの銘柄は、マーテルVSOPやレミーマルタンVSOPです。

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もともとブランデーというのは少しずつ芳醇な香りや味を楽しみながら飲むものです。

しかしニコラシカ の場合は一気に飲み切るものなので、香りを楽しむ暇もあまりありません。ゆえにある意味高級なものでなくてもOKです。1本3000円前後のブランデーでも十分ではないかと思います。

また少し変化球を楽しみたいならカルヴァドス、コニャック、アルマニャックにするとよりフルーティーさが高まります。

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専門家の一言メモ

ニコラシカは一般のカクテルのように、混ぜたりシェイクしたりするタイプではありません。言い換えれば手近にあるものだけで簡単にできる、と言えるので、是非一度自宅でも試してみてはいかがでしょう。友達や恋人を驚かせてみませんか?

ニコラシカ以外のブランデーを使ったカクテル6選

ブランデーカクテル

サイドカー

材料

・ブランデー 30ml
・ホワイトキュラソー 15ml
・レモンジュース 15ml

作り方

ブランデーとホワイトキュラソー、レモンジュースをシェイクし、グラスに注いだら完成です。

オレンジを原料とした、軽やかな甘みが特徴のリキュールであるホワイトキュラソー、フレッシュな酸味を生み出すレモンジュース、コクのあるブランデーが絶妙に混ざり合い、甘酸っぱくて飲みやすいカクテルです。

度数は25度以上と少し高めではありますが、ブランデーベースカクテルとして有名なカクテルの1つです。

ホーセーズネック

材料

・ブランデー 45ml
・レモンの皮(らせん状に剥いたもの) 1個
・ジンジャーエール 適量

作り方

レモンの皮をらせん状に剥き、その皮の一端をグラスにかけて、内側にカーブを巻くようにグラスの中に入れます。氷とブランデー、ジンジャーエールを皮の入ったグラスに注げば完成です。

ホーセーズネックとは馬の首のことで、グラスにかけたレモンの皮が馬の首に見えたことから名付けられたカクテルです。

ブランデーの甘みとジンジャーエールの爽快感、強いレモンの香りによって、心地よい甘みがすーっと抜けていくような、誰もが親しみやすいカクテルです。

度数も11度程度で、ジンジャーエールで調整することも可能ですので、ブランデーを楽しみたいけど度数の高いお酒はちょっと…という方にもオススメです。

ダーティーマザー

材料

・ブランデー 40ml
・カルーア 20ml

作り方

氷を入れたグラスにブランデーとカルーアをステアしたら完成です。

コーヒーリキュールであるカルーアがもつバニラの風味とブランデーの濃厚な風味が混ざり合い、コクのある味や香りが特徴です。

リキュール同士のカクテルをロックで飲むスタイルなので、度数は30度と少し高めですが、カルーアの口当たりの良さによって意外に飲みやすい甘口のカクテルとなっています。

ムーラン・ルージュ

材料

・ブランデー 30ml
・パイナップルジュース 80~120ml(お好みにより)
・シャンパン 適量

作り方

材料をシェイカーに入れてよくシェイクし、カクテルグラスに注いだら完成です。

お好みにより、パイナップルやマラスキーノに漬け込んださくらんぼを入れても良いでしょう。

ムーラン・ルージュはジンベースで作られることもありますが、今回紹介するのはブランデーベースのレシピです。パイナップルジュースの甘みとシャンパンのキレのあるうまみがブランデーに合わさってとても飲みやすいカクテルです。

アレキサンダー

材料

・ブランデー 30ml
・クレームドカカオ 15ml
・生クリーム 15ml
・ナツメグ 少量

作り方

材料をシェイクし、カクテルグラスにすすぎます。ナツメグをすりおろし、カクテルに振りかければ完成です。

イギリス国王エドワード7世が愛する王妃アレクサンドラに捧げたことから名付けられたカクテルです。カカオと生クリームの甘さがブランデーと合わさり絶妙なハーモニーを奏でます。お酒が苦手な方にもオススメなブランデーベースのカクテルです。

スティンガー

材料

・ブランデー 50ml
・ペパーミントリキュール 10ml

作り方

材料をシェイクし、グラスに注げば完成です。

「針」や「皮肉を言う人」という意味の名前のように、ペパーミントとブランデーによる舌に刺さるような鋭い味わいが特徴の大人向けなカクテルです。その爽快感から、食後のお酒や気分のリフレッシュとしてもオススメです。

まとめ

カクテルの中でも、独特の雰囲気を持った変化球ニコラシカ。インパクトが強く、そしてとても楽しいカクテルと言えます。ワイルドな飲み方でガツーンとしたアルコールを楽しめます。お酒に強い人は、是非挑戦してみてくださいね。

《西口和史》

西口和史

お酒の商社で15年間営業職に従事しました。 お酒については専門家と対等に話ができるレベルです。 知識と経験を活かしてお酒の記事を中心にご紹介していきたいと思います。

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